“狂犬”と呼ばれた元イタリア代表のジェンナーロ・ガットゥーゾは、指導者となった今でもそのファイティングスピリットを保ち続けているようだ。

ミランでチャンピオンズリーグ優勝など数々のタイトルを獲得し、イタリア代表として2006年のワールドカップを制したガットゥーゾは、2013年に現役を引退し、指導者に転身した。

当初はセリエB(イタリア2部)のパレルモを率いたが、わずか6試合で解任。その後、ギリシャリーグを経て、現在は再び母国でピサ(イタリア3部)の指揮を執っている。

そのガットゥーゾ監督が週末のスパル戦で、闘将らしい気迫を見せつけた。アシスタントコーチにストップウォッチらしきものを要求すると、コーチの鈍い動きに怒り爆発。駆け寄ってその顔面に平手打ちを見舞い、ストップウォッチを手から奪い取った。

試合は2-1で勝利。喜びを爆発させ、スタッフや選手たちと熱い抱擁を交わしたガットゥーゾ監督は、一人でゴール裏のサポーターの元にも駆け寄り、情熱的なガッツポーズを見せた。

かつて世界の頂点に立ちながら、3部リーグという注目を集めづらい舞台でガットゥーゾ監督だが、ピッチが“戦場”なのは変わらないようだ。まだ38歳と指導者としては若いガットゥーゾ監督は、いつか古巣ミランやイタリア代表を率いるようになるのだろうか。