「人種差別」「男女差別」「学歴差別」など、世の中から差別をなくすのは難しいのが現状です。

もしかしたら、これらに加えて「DNA差別」が増えるかもしれないと疑問を投げかけるニュースがありました。

アメリカでDNA鑑定の結果により、小学生が退学になったというのです。

 

問題があるとされたDNAの持ち主はコルマン・ガダム君で、小学校6年生になった数週間後には、カリフォルニア州の学校を追い出されることになったのです。

理由はまれな状況なのですが、コルマン君は実際には病気にかかっていませんが、遺伝子性の肺疾患である嚢胞性繊維症の遺伝子マーカーを持っていました。

遺伝子マーカー=ある性質をもつ個体に特有のDNA配列)

遺伝子性の肺疾患を持つ子供は、伝染性の感染症にかかりやすいことから、お互いに近づけないことになっています。

そしてその学校には、すでに嚢胞性繊維症を患う2人の兄弟が、当時(2012年)同じ学校の中等部に通っていました。

そのためコルマン君は実際に患っているわけではないのに、退学を余儀なくされたのです。

遺伝子の状態を理由に学区を変更させられたことで、両親は「遺伝子の差別を受けた」と、この公立学区に対して訴訟を起こしました。

遺伝子差別」のテストケースとして注目を集めたのです。

コルマン君は2000年に生まれ、当時はまだ新生児のDNA解析はまれだったのですが、コルマン君に心臓の問題があったことから、さまざまな検査が行われました。

その時、この遺伝子マーカーを持っていることがわかったのですが、それが病気を発症させるとは限らず、実際に病気にはならないまま成長しました。

それでもコルマン君の両親は、入学時の健康診断書にその情報を付け加えました。なぜかその情報が先生たちに流れ、三者懇談のときに嚢胞性繊維症を持つ別の子供たちを持つ両親にも伝わりました。

そしてその結果、その両親がコルマン君の転校を要求したとのことです。

情報を扱う学校のやりかたにも問題があり、単純な遺伝子差別だけでもなさそうですが、遺伝子情報が増える今後は、こうした新しい形の差別問題が出てくる可能性が示唆されています。

DNA gets a kid kicked out of highschool.

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