中国の二人っ子政策に国民の半数が「歓迎せず」(画像はイメージです)

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1979年から36年も続いた「一人っ子政策」を廃止するとこのほど発表した中国政府。中国全土のすべての夫婦が2人の子供を産み育てて結構というものだが、これに対する人々の反応が大変興味深いものになっている。

2年前から一人っ子政策をやや緩め、夫婦の片方でも一人っ子の場合は子供2人までOKとしていた中国政府。各家の跡継ぎがスムーズにとの配慮もあるが、人口の高齢化問題もさることながら、近年の女性の大学進学率や社会進出は目覚ましいものがあり、結婚しても経済的な豊かさに憧れて都市部での共稼ぎを希望する夫婦が増え、出生率が予想したほど戻らなかったことに業を煮やしていたようだ。

そんな中で「2人の子を産み育てましょう」と政策を転換した政府に、人々はどのような感想を抱いているのであろうか。中国のメディア『新浪/新聞中心(news.sina.com.cn)』によるウェブアンケートを紹介すると、173,119名から回答が集まった時点でこうなっている。

■「賛成」28.8%
■「状況を見ながら考えたい」28.3%
■「反対」43.0%

予想にたがわず、反対の理由として一番に挙げられるのは「経済的に無理」というものであった。インターネットでは「2人目の子に政府が経済的支援をしてくれるなら話は別」「幼稚園からすでにかなりの費用がかかってしまう現代。2人目を検討するのは十分なお金を貯めてから」といった意見が一般の人々から噴出しているという。

一方で「経済的に余裕があるため2人でも大丈夫」と明言できる世帯は、たったの2%しかないとのこと。これに専門家からは「政府のその決断は遅すぎた。何年も前にこの方針を打ち出していれば事情は違ったであろう」との意見があがったという。また食の安全に確信が持てず、大気汚染もはなはだしい中で、子供を産み育てること自体に不安がいっぱいという今の中国。女性たちの「赤ちゃんの健康面が心配」という声も無視できないであろう。

※ 画像はイメージです。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)