19安打14得点の猛攻で横浜が圧勝!藤平尚真が攻守で活躍!

攻守で活躍した藤平 尚真(横浜)

 サーティーフォー保土ヶ谷球場で行われた第1試合には、今夏選手権大会を制した東海大相模を準々決勝で10対1で破るなど、注目を集める横浜の登場に、早朝から多くの野球ファンが球場に押し寄せた。

 試合開始時には、内野席がほとんど埋まり、本日の試合への注目度の高さがすぐに分かった。この横浜対藤沢翔陵の準決勝を制したチームが、来春の選抜大会出場に大きく関わる関東大会への出場権を得られる。

 注目の試合は互いに毎回のように走者を出すも両チームともに先制点が奪えない展開となった。3回裏の藤沢翔陵の攻撃で、本日の試合の結果を左右するプレーが生まれた。9番・櫻井の中前安打と2番・小川の四球で一死一、二塁のチャンス。ここで打席に立つのは3番・近藤。近藤の放った打球は右翼へ。抜ければ得点が入る場面で、右翼手として先発出場していた藤平 尚真が好捕でピンチを凌ぐ。

 この藤平の好守からリズムを作った横浜は、翌4回表の攻撃でついに均衡を破る。先頭の4番・公家 響が四球で出塁し、5番。増田 珠が送りバントで手堅く送る。一死二塁のチャンスに7番・村田の二塁打でまず1点を先制。続く藤平も中前安打で1点を加える。ここで藤沢翔陵は投手を森山から西澤に交代。西澤は、冷静に打者を2人で抑えピンチを切り抜ける。

 しかし、5回にも先頭の1番・戸堀が左中間を破る二塁打で出塁し、2番・浜野も四球でチャンスを広げる。ここで藤沢翔陵の投手が西澤から関原に交代。しかし横浜の流れは止まらなかった。

 ここで、3番・石川 達也が犠打で送り一死二、三塁とする。このチャンスに4番・公家の犠打でまず1点。5番・増田の左前への適時打で1点、6番・村田の右前安打で1点を加え点差を5に広げる。

 藤沢翔陵も負けじと反撃を試みる。翌5回裏の攻撃で、1番・活田の右前安打で二死からチャンスを作る。3番・近藤の打球がイレギュラーし、右前へ転がり好機を広げる。この二死一、三塁の場面で4番・森山が放った打球は、強烈な日光が味方をしたのか打球を見失い、これが適時安打となり1点を返す。

 さらに6回裏にも、7番・柴田の中前安打と途中出場の8番・関原の打球が相手のフィルダースチョイスを誘い、一死一、二塁。さらに9番・櫻井が四球を選び満塁の機会が得る。ここで1番・活田がスクイズを敢行し1点を返す。その後も二死二、三塁とチャンスは続いたが、横浜先発の石川が追加点は許さなかった。

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3安打の活躍を見せた近藤(藤沢翔陵)

 反撃されてばかりで黙っていないのが横浜。2点を返された翌7回表の攻撃では、先頭の2番代打の松井が中堅手の頭上を越える二塁打でチャンスメイク。さらに盗塁を決め一死三塁とし、4番・公家 響も四球でチャンスを広げる。藤沢翔陵の投手が関原から中村流に変わる。しかし、5番・増田 珠も四球で出塁し満塁の機会が巡ってくる。

 ここで2打席連続で適時打を放っている6番・村田が犠飛を放ち1点。7番・藤平 尚真の中前安打で1点、8番・福永の左前安打で1点を返す。チャンスが続く場面であったが、二塁走者が塁間に挟まれアウトとなり、藤沢翔陵はピンチを凌ぐ形となった。

 得点差を広げられた藤沢翔陵は、粘りを見せる。7回裏に3番・近藤、4番・森山、5番・田中の3連打で1点をまず返す。そして、続く6番・磯田の左前安打で1点を追加した場面で、横浜は投手を石川 達也から背番号1をつけた藤平へ。

 後続2者をしっかりと抑えてつけ込む隙を見せない藤平。藤平の好投に触発されたのか、打線も9回に大爆発する。4番・公家のレフトフェンス直撃の二塁打から始まり、9回だけで6安打1四球1エラーで一挙6点を奪い、ダメ押しをする。

 勝利した横浜は、試合序盤こそはあと1本が出ずにはがゆい思いをしたが、4回以降効果的に得点を重ね最終回の打線爆発に至り、19安打14得点で失策は0。明日の決勝に向けて最高の形で勝ち上がった。

 一方敗れた藤沢翔陵だが、9回以外では毎回出塁し、打っては11安打と、試合を通じてあと1本が出なかったことが悔やまれる。本日の試合では、7投手が登板し春に向けて各々が課題を見つかったことであろう。

 3時間を超える熱戦を制した横浜は、関東大会出場を決めた。そして明日は、桐光学園と秋の神奈川の頂点を懸けて本日と同じくサーティーフォー保土ヶ谷球場で戦う。

(文=佐藤 友美)

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