智辯和歌山vs花咲徳栄

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国体にかけているんです!春野航輝の豪快なホームランで智辯和歌山が準決勝進出!

春野航輝(智辯和歌山)

 夏の甲子園で1回戦で負けた智辯和歌山だが、この日は投打の柱が活躍を見せた。そして智辯和歌山は粋な計らいを行った。ブラスバンドを自校だけではなく、花咲徳栄側にも配置するおもてなしを見せた。和歌山の舞台で、智辯和歌山の十八番である「ジョックロック」をバックに打席に立つことに喜びを見せる選手たちは多かった。

 まず序盤は、花咲徳栄の先発・高橋 昂也(2年)が快投を見せる。早大本庄戦で、19奪三振を記録した高橋。この日は、常時135キロ前後の速球、縦に鋭くフォーク、カーブ、スライダーで智辯和歌山打線を圧倒。高橋は大きく、ゆったりとしたテークバックから一気に振り下ろすメカニズムで、ワンテンポを遅らせて投げるので、タイミングは取りづらく、智辯和歌山打線は4回まで無安打無失点に抑えられていた。だが5回表、初安打が出たところから一死満塁でピンチを招き、8番大石 海斗のスクイズで1点を先制を許す。だがこの1点にとどめ、高橋は降板。 当初から5回までの登板予定。5回まで1失点に抑えたことには、「ストレート、変化球の切れともに良かったですし、内容は良かったと思います。智辯和歌山相手に投げたことは自信になったので、県大会へ向けて切り替えていきたいと思います」すぐに始まる秋季県大会を見据えていた。 智辯和歌山は6回表には2点を追加し、8回表、4番春野 航輝が打席に立った。183センチ98キロと恵まれた体格をしており、豪快な長打力がウリの選手。しかしここまでは変化球にタイミングが合わず無安打だったが、「体が開いた状態でボールを打っていたので、ボールが見えにくい状態となっていました」そこで春野は開きを我慢して、スイングすることを決めた。どうすればボールが見やすくなるのか、その原因をしっかりと分析できるのが良い。 そして8回表、甘く入ったボールを捉えて左中間へライナー性で飛び込む弾丸ライナーを放った。良い時の春野は動作に無駄がなく、インパクトまで遠回りしないスイングができていること。本塁打の時はそんな打撃ができており、プロ入りを志望する春野にとっては理想的な結果となった。「僕はこの国体にかけているんで、長打力や声でチームを引っ張る部分を見てほしい」アピールに成功した春野。この本塁打で打撃の感覚をつかんできたようだ。中田 翔(北海道日本ハムファイターズ)に憧れる春野。次の準決勝での打撃の模様が見逃せなくなった。

(文=河嶋 宗一)

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