東海道新幹線は今後が正念場? 鍵を握る子ども
東海道新幹線でいま、子どもが楽しめる企画が多く実施されています。その背景には日本の現状と将来があるのかもしれません。
子どもと一緒に「ドクターイエロー」車内見学
東海道新幹線で2015年7月18日(土)から8月30日(日)まで、「ファミリー車両」が用意された「のぞみ」が44日間で合計100本、運行されます。
「ファミリー車両」は、小学生以下の子どもと大人で構成されるグループ専用の車両。子ども連れでも気兼ねなく利用できるといいます。また、大きな荷物やベビーカーを持っての乗車がしやすいよう、有料申込み人数に加えてもう1席用意されているのも特徴です。
JR東海によると、「ファミリー車両」は家族での移動が多い夏休みや冬休み期間に実施しているといい、家族が「あったらいいな」と思うサービスを企画したといいます。
また東海道新幹線では8月22日(土)と29(日)出発限定で、通常は乗車できない回送線を通って大井車両基地(東京都品川区)へ向かい、新幹線のお医者さん「ドクターイエロー」の車内が見学できる「東海道新幹線のおしごとを学ぼう」ツアーを実施。参加者が募集されています。
「東海道新幹線」は日本の三大都市を結び、ビジネス需要が旺盛なことで知られる路線です。しかし近年では先述のようなファミリー、子ども向け企画も多く実施されています。
その背景には、日本の現状と将来が見えそうです。これまでビジネスで新幹線を利用してきた世代が、次々と退職していきます。そして日本の人口は減っていきます。また、こうした状況のなか「ビジネスユースの東海道新幹線」というイメージがあるとしたら、必ずしも良いものとはいえないでしょう。
東海道新幹線はビジネス需要が非常に旺盛だったゆえ、逆にいま、これまで以上に幅広い層への訴求力が求められているのかもしれません。