先頭部分の覆いが外された新幹線。連結器は手前に引き出して使用する(15年7月25日、恵 知仁撮影)

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JR東海の浜松工場で開催された「新幹線なるほど発見デー」、普段は覆われている部分が露わになり、会場には「ゴッ」という音が鳴り響くなど、なかなか見られない「新幹線」の姿がありました。

新幹線の先頭に隠れている“あれ”も

 2015年7月25日(土)、JR東海の浜松工場(静岡県浜松市)で一般公開イベント「新幹線なるほど発見デー」が開催されました。浜松工場は新幹線車両の整備などを行う施設。明日26日(日)も実施され、例年、2日間でおよそ4万人が来場するといいます。

 今年の大きな目玉は、「新幹線のお医者さん」とも呼ばれる「ドクターイエロー」を使った「車体上げ・載せ」作業の実演です。車体をクレーンで釣り上げて空中を移動させるもので、今年初めて、その実演に「ドクターイエロー」が使用されました。

 会場にはそれ以外にも、普段は見られない様々な「新幹線」の姿がありました。

 のっぺりしている、新幹線の先頭部分。その内部に何があるのか、ご存じの人は少なくないかもしれません。しかしその内部を見たことのある人は、少ないのではないでしょうか。

 イベントには、先頭部の覆いが取り外された車両が展示されており、その内部が丸見え。異常事態にほかの車両にけん引してもらうなどの目的で搭載されている連結器が、そこに鎮座していました。通常はまず見られない部分です。

展示される“新幹線のツノ”

 不思議な物体も多く展示されていました。たとえば、すでに全車両が引退した初代新幹線0系。その運転席の上にはツノ状の部品が付いていました。

 そのツノ状の部品が、会場に展示されていました(0系のものではありません)。これは装飾品などではなく、上空にある架線の電圧を測るための「静電(検電)アンテナ」と呼ばれるもの。東海道新幹線の最新車両N700Aにも、運転席の上ではなく、先頭車両の後ろ側屋根上に設置されています。

 また架線から電気を取り込むパンタグラフも展示され、それを操作する体験イベントが実施されていました。

モノマネでおなじみのトイレも実演で「ゴッ」

 新幹線のトイレは、一般家庭のものとは構造が大きく異なります。水が「シャー」っと流れたのち、「ゴッ」という音と共に吸い込まれていく仕組みです。漫才コンビ中川家の礼二さんも、そのモノマネをしています。

 そのトイレも展示されていました。

「真空式汚物処理装置」と呼ばれるもので、空気の力を使って吸引。洗浄時に水の量が少なくてすむ、臭いが漏れにくいといったメリットがあります。

 トイレは実際に水が流れ動作する状態で展示されており、会場にはしばしが「ゴッ」という音が響いていました。

 この「新幹線なるほど発見デー」は入場無料で、7月26日(日)も10時から15時まで開催されます(入場は14時30分まで)。