大阪桐蔭vs履正社

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わかっていたはずの立ち上がりだったが・・・

完敗に終わった履正社

 ライバル大阪桐蔭に17安打10失点で完敗に終わった履正社。岡田龍生監督は、「打たれすぎですよね。こんなことでは勝てない」と苦笑いしながらも厳しい表情を浮かべた。

 今大会は溝田 悠人(3年)、永谷 暢章(3年)、寺島 成輝(2年)の三投手をローテーションで先発させてきた岡田監督。この準決勝も大阪桐蔭が相手だからということではなく、順番通りということでエースナンバーを背負う溝田を先発に送った。

 しかし立ち上がり。大阪桐蔭の1番・中山 遥斗(2年)に1球目を弾き返される。セカンドの古川啓輔(3年)が何とか追いついたものの、一塁はセーフになった。2番・永廣 知紀(2年)が進塁打を放つと、3番・藤井 健平(3年)から三連打を浴びた溝田。この後、守備のミスもあって1回表に4点を失った。永谷が先発して1回表に5点を先行された昨夏の大阪大会準決勝と同じ展開である。

 「(溝田は)ボールが高いですよね。これだけ経験があって、立ち上がりからあれでは。今日の試合では背番号1としては失格」と岡田監督は厳しい言葉を発した。

 溝田は、「直球は悪くはなかったが、打たれたのは甘くなった変化球。夏も(永谷が)失点して、立ち上がりを抑えないといけないのはわかっていたのですが」と唇を噛みしめる。

 そして主将の西村 卓浩(3年)はこんなことを話した。「去年の夏も初回にセカンドゴロがセーフになってしまった。何回もやって、大阪桐蔭は初回にバンと点を取って、後は良い勝負をする。僕らは初回を最少失点に抑えて後半勝負にしようと言っていたが、今日は初回に緩んでしまった。それが反省点です」。

 そう、西村主将の言うように取られたとしても最少失点に抑えることが一番大事なことである。もちろん失点をしなければ最高だが、もし取られた時は次の1点を与えないことが重要になってくる。この日の履正社は昨夏と同じように次の1点を防げなかった。しかも大量失点に繋がる守りのミスをしてしまっている。これではいくら中盤に追い上げても、結局は初回の大量点が勝負に大きく関わってしまう。

 「守備、走塁、バント。これができないと勝つ要素がない。今年のチームの淡泊さが出ていると思います。(今は大阪桐蔭との)力の差がある。今のままではもっと早く負けるかもしれない」と話した岡田監督。

 さらに8回からリリーフして最初の回(立ち上がり)に失点した永谷についても、「ああいう所で投げて、ピシャッと抑えられないようでは。点差があって全然プレッシャーがかかる場面で投げてないのに」と厳しかった。

 夏にまた対戦するかもしれないライバル対決。もし当たった時、今度は履正社が大阪桐蔭に対し、立ち上がりをどう気をつけて入るか。楽しみにしてみたい。 

(写真=中谷 明)