陸上自衛隊の特殊車両の試乗に参加する入場者。24日、東京都江東区の東京ビッグサイトで。(撮影:佐藤学)

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防犯、防災、リスク管理を包括的にとらえた「危機管理産業展2006」(東京ビッグサイト主催)が24日、東京都江東区の東京ビッグサイトで始まった。この日は、参議院議長の扇千景さんと帝京大学教授の志方俊之さんによる対談「緊急提言・首都東京に迫るテロの脅威」をはじめ、海上保安庁の大型監視船「やしま」が隣接埠頭に接岸しての一般公開や陸上自衛隊の特殊車両の試乗を実施。展示会場には、国内外から335社が出展し、3日間で来場者5万人を見込む。26日まで。

 国土交通相時代に、日本海における不審船事件を経験した扇議長と元陸上自衛隊・北部方面総監で、現在東京都の災害対策のほかに、危機管理についてアドバイスをする帝京大学の志方教授が、基調対談で「緊急提言・首都東京に迫るテロの脅威」について討議した。扇議長は「地震などの災害は、どういうものであるか想像がつきますが、だれが、いつ、どこで、どのような形で行うかまったくわからないのがテロの恐ろしさです」と語った。

 志方教授は「災害現場から地方自治体の都道府県に情報が認識されるのに3時間、そこから国が認識するのに3時間。この過程は『魔の6時間』と呼ばれ、テロと認識するのにたいへん時間がかかります」と説明した。空襲警報が鳴ると避難訓練が開始される韓国を例に挙げて扇議長は「日本国内の危機感の欠如が心配です」と警告を鳴らし、行政のテロ対策マニュアルや防犯グッズの整備のほかに、「個人が危機意識をどのように持つか」の大切さを訴えた。【了】