ACミランが怒涛の開幕3連勝で不正発覚による「−8」ポイントの“借金”を最短で完済した。セリエA第3節の行われた20日、ACミランはホームのサン・シーロ・スタジアムでアスコリ相手に1−0辛勝。ペナルティによる物理的不利な状況から今季を迎えたACミランだったが、開幕戦対ラツィオ戦2−1(ホーム)、第2節対パルマ戦0−2(アウェイ)勝利に続き開幕3連勝を飾った。

ACミランの意地が勝利を呼び込んだ。インザーギ、ボリエッロの先発2トップ弾がポストに阻まれる。攻め込みながらも1点が遠いACミランに後半23分、チェコ人DFヤンクロフスキー(29)が豪快ヘッドを決め、ついに均衡を破った。GKヂダ、DFマルディーニを中心に鉄壁の守備で相手攻撃陣をシャットアウト、「−2」を「+1」に変える貴重な勝ち点「3」をもぎ取った。

王者らしからぬ展開に試合後アンチェロッティ監督は「前半はバランスが悪く、全体的に間延びして相手にスペースを与えてしまった。サポート体制が崩れていた点は反省材料」と厳しい口調で言及したが、借金生活に終止符を打った勝利には「ようやくペナルティを返済した。今後も常に勝利を狙う」と安堵の表情を浮かべて語った。

同じ開幕3連勝を飾ったパレルモとの差は依然「8」。差を縮めるにはライバルの結果も絡んでくるが、最短で借金を完済した今のACミランに精神的不利はない。