【差替】安倍氏、政権構想を発表
毎日、真面目に額に汗して働き、家族を愛し、地域を良くし、私たちの国の未来を信じる普通の人々のための政治を行っていきたい──。
安倍晋三官房長官(51)は1日夕、広島市内で開いた記者会見でこう決意を表し、20日に投開票が行われる自民党総裁選への出馬を正式に表明。「最有力候補」と目されていた安倍氏が万を持して登場したことで、麻生太郎外相(65)、谷垣禎一財務相(61)の事実上3候補での「ポスト小泉」レースの火ぶたが切って落とされた。
安倍氏は会見で「美しい日本」「イノベーション(技術革新)」など政権構想のテーマとして掲げた文言を何度も強調。同構想には政治理念を「開かれた保守主義」とし、憲法改正や教育改革を基本的方向性として明記した。また、大臣・副大臣・政務官の連携強化、内閣官房への開かれた人材登用、外交・安全保障の司令塔機能の再編なども盛り込まれ、小泉政権の構造改革路線を踏襲し、官邸主導のリーダーシップをさらに強化していく考えを打ち出した。
外交面では、北朝鮮の核・ミサイル問題や日本人拉致問題の解決を目指すと強調。日米同盟の強化に加え、経済連携協定(EPA)・自由貿易協定(FTA)を活用してのアジア諸国との連携確立を強くうたったが、対中、対韓については「中国、韓国等近隣諸国との信頼関係強化」との表現にとどまった。靖国神社参拝への対応についての記載はなかった。
安倍氏は同日午後に広島入りし、市中央部のリーガロイヤルホテル広島で行われた党中国ブロック大会に出席した後、平和記念公園で原爆死没者慰霊碑に献花。出馬会見会場となった広島港近くにある広島プリンスホテルに向かった。会場には、塩崎恭久外務副大臣や世耕弘成参院議員ら安倍氏の側近として意見交換をしてきた議員が早くからつめ掛け、自ら準備の陣頭指揮をとる場面も見られた。
会見で安倍氏が行った記者とのやり取りの要旨は次の通り。
―― 総裁選をどのように戦い、何を重点的に訴えていくか。
安倍:お互いにどういう国を作りたいか、その思いで立候補しているから、お互いにぶつけ合っていく。政策をぶつけ合い、国民の前で議論していく。
── 憲法改正のめどは。
安倍:政府が提出するものではなく、国会が発議するもの。そういう意味で、総裁としてコンセンサスを作るリーダーシップを発揮していかねばならないと思う。国会議員の3分の2という高いハードルがあるから、そう簡単なことではないと思う。任期中に少しでも進めていくリーダーシップを発揮して方向性を出していかねばならない。まずは国民投票法の成立を目指したい。さらには与党の中で、また与野党の中で議論していかねばならない。
── 集団的自衛権の行使について、どういった手段で考えていくのか。
安倍:日米同盟によって日本の安全が守られているし、その抑止力によって平和の安定が確保されている。日米同盟が効果的に機能を向上させるために、個別具体的な例を検討し、それが禁止されている集団的自衛権の行使にあたるかを検討していくべきだと思う。その研究の仕方についてはこれから考えていく。
── 来年夏の参院選にむけて政権構想で民主党との違いを示した点はあるか。
安倍:特に民主党を意識する必要ない。私たちがどういう国を作りたいかということを国民に示したいという思いで書いた。
── 森派との関係はどうするか。小泉首相の派閥の意向を重視しない人事手法を踏襲する考えか。
安倍:派閥の意向を人事に反映することはしないと、明確にしたい。私は幹事長時代も森派から離脱、官房長官になってからは事実上派閥活動はしていない。当選することができれば当然派閥を離脱することになる。選挙期間を通じて、派閥の一員という形で運動を展開する考えはない。
安倍晋三官房長官(51)は1日夕、広島市内で開いた記者会見でこう決意を表し、20日に投開票が行われる自民党総裁選への出馬を正式に表明。「最有力候補」と目されていた安倍氏が万を持して登場したことで、麻生太郎外相(65)、谷垣禎一財務相(61)の事実上3候補での「ポスト小泉」レースの火ぶたが切って落とされた。
外交面では、北朝鮮の核・ミサイル問題や日本人拉致問題の解決を目指すと強調。日米同盟の強化に加え、経済連携協定(EPA)・自由貿易協定(FTA)を活用してのアジア諸国との連携確立を強くうたったが、対中、対韓については「中国、韓国等近隣諸国との信頼関係強化」との表現にとどまった。靖国神社参拝への対応についての記載はなかった。
安倍氏は同日午後に広島入りし、市中央部のリーガロイヤルホテル広島で行われた党中国ブロック大会に出席した後、平和記念公園で原爆死没者慰霊碑に献花。出馬会見会場となった広島港近くにある広島プリンスホテルに向かった。会場には、塩崎恭久外務副大臣や世耕弘成参院議員ら安倍氏の側近として意見交換をしてきた議員が早くからつめ掛け、自ら準備の陣頭指揮をとる場面も見られた。
会見で安倍氏が行った記者とのやり取りの要旨は次の通り。
―― 総裁選をどのように戦い、何を重点的に訴えていくか。
安倍:お互いにどういう国を作りたいか、その思いで立候補しているから、お互いにぶつけ合っていく。政策をぶつけ合い、国民の前で議論していく。
── 憲法改正のめどは。
安倍:政府が提出するものではなく、国会が発議するもの。そういう意味で、総裁としてコンセンサスを作るリーダーシップを発揮していかねばならないと思う。国会議員の3分の2という高いハードルがあるから、そう簡単なことではないと思う。任期中に少しでも進めていくリーダーシップを発揮して方向性を出していかねばならない。まずは国民投票法の成立を目指したい。さらには与党の中で、また与野党の中で議論していかねばならない。
── 集団的自衛権の行使について、どういった手段で考えていくのか。
安倍:日米同盟によって日本の安全が守られているし、その抑止力によって平和の安定が確保されている。日米同盟が効果的に機能を向上させるために、個別具体的な例を検討し、それが禁止されている集団的自衛権の行使にあたるかを検討していくべきだと思う。その研究の仕方についてはこれから考えていく。
── 来年夏の参院選にむけて政権構想で民主党との違いを示した点はあるか。
安倍:特に民主党を意識する必要ない。私たちがどういう国を作りたいかということを国民に示したいという思いで書いた。
── 森派との関係はどうするか。小泉首相の派閥の意向を重視しない人事手法を踏襲する考えか。
安倍:派閥の意向を人事に反映することはしないと、明確にしたい。私は幹事長時代も森派から離脱、官房長官になってからは事実上派閥活動はしていない。当選することができれば当然派閥を離脱することになる。選挙期間を通じて、派閥の一員という形で運動を展開する考えはない。