「地震や津波の防災は自分の力で」との意見が出た「地震・津波フォーラム」

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気象記念日(6月1日)が130回目を迎えたことを記念した「地震・津波フォーラム」(気象庁主催)が1日、東京都千代田区のイイノホールであった。パネルディスカッションではパネリストらが「防災は行政任せにし過ぎず、自分で考えることが大事」と語った。

 同フォーラムは2部構成で、1部は東海地震をテーマにした「震災列島」を書いた勤務医で作家の石黒耀さんらが講演、2部では石黒さんらと行政の防災担当者やメディア関係者らがパネリストとなって、「日本人の防災意識」と「情報の活用」について意見を交わした。

 ディスカッションでは、三陸沖地震などの際、「多くの市民が被害を受けたのは、彼らの防災意識が高く、テレビなどで防災情報を得ようとして逃げるのが遅れたためだ」との分析結果が出され、それを受けパネリストが「早く逃げるなど災害の状況に応じた対応を住民自らが考えなければならない」などの意見を述べた。

 また、「デジタル化によって防災情報が大量化し、伝える側も、受け手も情報を利用しきれていない」との認識から「必要な情報をシンプルに伝えたい」とのマスコミ関係者の声や、地震が起こる数十秒前に地震速報を伝える気象庁の取り組みなども紹介された。【了】