政府の食品安全委員会(寺田雅昭委員長)の北米産牛肉輸入再開を容認する答申を受けて、農林水産省では9日午前、中川昭一農水大臣が出席してBSE(牛海綿状脳症)対策会議を開いた。農水・厚生労働両省は、同委員会が要望している特定危険部位の除去・撤去などの細部条件を確認した上で、週明けにも米国とカナダに提示するものと思われる。輸入再開は、条件を認める回答が両国から得られた段階で決定される。

 北米産牛肉への対応について、農水・厚労両省は、15日から東京・大阪・名古屋・福岡など9都市で、消費者・事業者など関係者への説明会を開催、ホームページ上などで出席者を募集している。

 輸入再開について、牛丼チェーン大手の吉野家ディー・アンド・シー<9861>は、ライブドア・ニュースの取材に対し「再開を歓迎する」としながらも、牛肉の輸入と牛丼販売再開に向けた準備に1カ月から2カ月かかることから、「年内の販売開始は難しい」と語った。

 吉野家は、2003年12月の輸入停止前まで、年間約3万トンの牛肉部位を米の契約ミートパッカーから輸入、通常3カ月分の牛肉をストックしていた。今回輸入が再開されるのは、停止以前の輸入量の2割程度になるため、牛丼販売を再開しても「昼食時限定となり、値段も停止前の280円(並盛り)よりは高めになるでしょう」と述べた。【了】

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