西島も井川も…『流星ワゴン』脚本家語るシーン変更連発現場

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「西島秀俊さんが演じている主人公の一雄はリストラされた会社員で、登場人物のなかでは、いちばん“普通の人物”です。だからこそ役を表現するのはいちばん難しいのですが、西島さんはそれをみごとに演じ切ってくれていると思います」

 と語るのは、人気ドラマ『流星ワゴン』(TBS系)を手がけている脚本家の八津弘幸さん(43)。これまでにも『半沢直樹』(13年・TBS系)や『ルーズヴェルト・ゲーム』(14年・TBS系)の脚本も担当した、ドラマ業界では有名なヒットメーカーだ。そんな彼が手がける今作品では、出演者からの色々なアイデアが飛び出しているという。

たとえば、主人公・一雄の抱える悩みの1つに“息子がいじめられている”ということがあった。最初、脚本上では西島が妻にその事実を伝えるという設定だったが、妻・美代子を演じる井川遥(38)からこんな指摘があったという。

「井川さんから『母親なら、息子がいじめにあっていたら気付くはず。たとえ夫とは離婚寸前でも、息子のことは心配していますから、知らないことはありえないのでは』と指摘され、なるほどと思いましたね」

また3月8日放送の第8話では、主人公が息子のいじめ現場を目撃して、ついに立ち上がった。もともとは一雄がいじめっ子を殴り飛ばすことになっていたが、ここでは西島からこんな指摘があったという。

「西島さんから『いくら息子がいじめられていても、子供に手を上げることはできません』とご指摘があったそうです。脚本家としては、いろいろ思いも込めて書いたシーンでもあるので、正直一瞬ムム!とも思いましたが(笑)。そういう西島さんの優しさが一雄という主人公を魅力的にしているのだと感じました」

結果、西島が出した『息子を殴るんだったら、自分を殴れ!』と身体をはって止めに入る代案に変更となった。「いじめっ子の手を取り自分の顔にぶつける演技でしたが、息子を守ろうとする父の真摯な気持ちが伝わって、さすがだなと思いました」と語る八津さん。ドラマ最終話は3月22日。出演者たちの“ドライブ”は加速しているようだ――。