日本で巨大カルデラ噴火が起こる確率は今後100年で1%--。先ごろ神戸大大学院の巽好幸教授らが予測を発表し、衝撃が広がっている。
 そもそも、巨大カルデラ噴火とはどんなものなのか。
 武蔵野学院大特任教授の島村英紀氏が説明する。
 「何らかの原因でマグマ溜まり自体が爆発し、地殻表層部を吹き飛ばす大噴火をいいます。通常の噴火とは異なり、放出される火山灰や噴石、溶岩などの噴出物は東京ドーム約10万杯分で破滅的爆発といえる。数千年に一度起き、日本では約7300年前の鬼界カルデラ(大隅海峡)の噴火が最後だった。巽教授の論文は、“今すぐ起こるかもしれないし数百年から1000年先かもしれない”というもの。ただし、発生すれば日本が消滅するくらいの破壊力を持っています」

 やはり「100年で1%」と言われてもピンとはこないが、巽教授が説明するように「阪神淡路大震災が起きる前日の時点では30年以内に同地震が起きる確率だった」とすれば、かなりの高確率であることがわかる。
 「巨大噴火は数千年に一度ですが、大噴火は100年に4〜6回あります。実際、17世紀から19世紀にかけての日本ではそうでした。ここ100年を見ると、1913年の桜島大噴火、1929年の北海道駒ヶ岳大噴火以後は不気味な沈黙を守っている。大噴火は必ず起きることを肝に銘じておくべきです」(前出・島村氏)

 実は、その兆候が表れている火山もある。このほど警戒の引き上げが発表された、宮崎県と鹿児島県にまたがる霧島山の硫黄山周辺だ。
 「気象庁は10月24日午前10時、硫黄山周辺に出していた“噴火予報”を“火口周辺警報”に引き上げ、周辺約1キロで小規模な噴火の可能性があると警戒を呼び掛けた。この周辺では去年12月頃から火山性地震が発生し、今年8月には地下マグマや水蒸気の動きを示す火山性微動も観測されている。霧島山中央の新燃岳は山体膨張し、再噴火すると指摘する声もあるため、非常に不気味です」(地元記者)

 未曾有の非常事態が襲うのか。