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ソニーは9月17日、ハイレゾオーディオやDSDでの録音に対応したリニアPCMレコーダー「PCM-D100」を発表した。発売は11月21日。価格はオープンで、推定市場価格は100,000円前後。

PCM-D100は、最大192kHz/24bitのリニアPCMに加えて、DSD方式(2.8MHz)での録音にも対応したレコーダーだ。リニアPCMではサンプリング周波数が高くなればなるほど、記録できる音の周波数の上限が高くなる。PCM-D100の192kHzというサンプリング周波数は可聴範囲を大きく超えており、理論的には100kHz近い領域までの音声記録が可能なレベル。また、DSDはSACD(スーパーオーディオCD)と同等の音質を持つフォーマットで、2.8MHzの場合で音楽CDの約6.5倍の情報量となる。実際に録音可能な周波数範囲は、DSDの場合が20Hz〜50kHz、192kHz/24bitのリニアPCMの場合が20Hz〜45kHzとなっている(LINE入力時)。

DSDと192kHz/24bitのリニアPCM以外で利用可能な録音方式は、リニアPCMがサンプリング周波数176.4kHz/96kHz/88.2kHz/48kHz/44.1kHz。176.4kHzは量子化ビットが24bitのみで、ほかは24bitと16bitが使用できる。これに加えて、MP3形式の320kbps/128kbpsが利用可能だ。

記録媒体は、内蔵の32GBフラッシュメモリとメモリーカードスロット。内蔵メモリには、DSDで約10時間50分、192kHz/24bitのリニアPCMでは約6時間35分の録音が可能だ。メモリーカードスロットは、SD/SDHC/SDXCメモリーカード、メモリースティックPROデュオ/PRO-HGデュオに対応する。

搭載されているマイクは、可動式の単一指向性マイク×2本。マイクはφ15mmという大口径で、40kHzまでの周波数特性を持つ。可動式としたことで、音源までの距離や広がりに合わせて集音範囲を調整することが可能だ。

A/Dコンバーターは、リニアPCM用、DSD用をそれぞれに搭載。各モードに適したデジタル変換を行う。従来機「PCM-D50」で採用されていたA/Dコンバーターは24bitタイプだったが、PCM-D100では32bitタイプに変更。より正確なデジタル化が可能となった。

リニアPCMでの録音時には「S/N 100dB」モードも利用可能だ。同モードは、デジタルリミッターの機能を利用したものだ。ソニーが採用しているデジタルリミッターでは、通常の音声と-12dBの音声を常に同時記録し、過大入力があった際に、その部分を-12dBで記録しているほうに差し替える。S/N 100dBモードでは、小さい音を録音している際に、レベルの低い音声データを差し替えることで、通常ではノイズに埋もれてしまうようなレベルの低い音声データをも録音することが可能だ。

入力インタフェースは、MIC端子(3.5mmステレオミニ、プラグインパワー対応)×1系統、LINE IN/光DIGITAL IN端子(3.5mmステレオミニ/丸型光デジタル端子兼用)×1系統。出力インタフェースは、ヘッドホン端子(3.5mmステレオミニ)×1系統、LINE OUT/光DIGITAL OUT端子(3.5mmステレオミニ/丸型光デジタル端子兼用)×1系統。このほかに、PCとの接続用のUSBポート(microB)×1基を装備する。

電源はACアダプター、または単3形アルカリ乾電池×4本、単3形ニッケル水素充電池×4本。アルカリ電池を使用した場合、DSDでは約8時間、192kHz/24bitのリニアPCMでは約10時間(モニター使用)の連続録音が可能だ。本体サイズはW72×D32.7×H156.8mmで、質量は約395g。

(村田修)