「PS4」公式ブログが炎上「ユーザー軽視だ」 日本発売が欧米より3か月も遅れるとは
年末商戦に向けて投入されると報道されていた据え置き型ゲーム機「プレイステーション(PS)4」の国内の発売日が欧米より遅くなると、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が発表した。
これを受けて日本のファンからは、「いくらなんでも遅すぎる」「日本軽視もここまで来たら論外」などのコメントがプレイステーションの公式ブログに多数書き込まれ、炎上状態になっている。
「遅くても12月だと思ってました」
SCEが発売する「PS4」は、同社の据え置き型ゲーム機の新型として約7年ぶりの製品だ。ネット接続によるソーシャル機能を強化し、Ustreamやニコニコ生放送などを使ってリアルタイムで配信したり、コントローラの「SHAREボタン」で簡単に録画映像をFacebookに投稿できたりといった新機能があり、日本ユーザーからは「早く遊びたい」との期待が高まっていた。
しかし、9月9日に行われた同社のカンファレンス「SCEJA Press Conference 2013」で発表された日本の発売日は、2014年2月22日だった。北米は2013年11月15日、欧州とラテンアメリカは11月29日に発売のため、日本ではそこから約3か月遅れてようやく入手できることになる。これまでプレイステーションシリーズ3機種はいずれも日本で最初に発売されていたことから、今回の「PS4」が他国より3か月遅れて発売されると予測していたファンは多くなかったようだ。
プレイステーションの公式ブログには、
「発売が他国よりも遅れることはとても残念に思っています。もし少しでも発売を早めることができるのなら、努力をしてもらいと感じています」「遅くても12月だと思ってましたが、まさか2月まで待たされるって・・・ 洋ゲーをプレイしないユーザーが4万も出して発売日にゲーム機を買いますか?そんな人あまりいないと思いますよ」
など、発売日が遅いことを残念がる声や、批判するコメントが相次いでいる。
同ブログではカンファレンスの補足として、日本での発売が遅れる理由をSCEJAの河野弘社長が説明している。新しいプラットフォームの展開には、本体と同時に発売されるタイトルが十分に揃っている事が最も重要だという。
「今回、既に発表されているタイトルは海外タイトルが多く、それらのタイトルを日本で展開するための準備に多少の時間を要します。また、国内のソフトウェアメーカー各社様のタイトルも当然ラインナップに加えるべきと考えました」
背景はライバル「Xbox」の存在か
一方で発売日が遅れる理由をタイトル数の問題だけでなく、欧米市場を重視したからではという見方も強い。エンターブレインの「ゲーム白書2013」によると、2012年のゲームコンテンツ市場は日本が7997億円だったのに対して、北米は1兆9072億円、欧州は1兆8075億円と巨大だ。
また、「PS4」を欧米で発売する1週間後に、ライバルのマイクロソフトが新型ゲーム機「Xbox One」を投入するという事情もある。欧米市場では従来機「Xbox 360」が「PS3」を展開する1年前に発売されたこともあり「Xbox 360」ユーザーが多く、これまでSCEがマイクロソフトを追う形だった。
SCEの発表によると欧米での「PS4」の予約は、8月時点ですでに100万台を突破しており好調で、「特定の部品が足りなくなるほどではない」(河野社長)というが、日本での発売時期を遅らせることで、供給に万全を期したい考えもあるようだ。
公式ブログで河野社長は「純粋に申し訳ないという気持ちです。何か出来ないだろうか?」として、専用ソフト「KNACK(ナック)」と、1年間延長保証がセットの初回数量限定の国内限定サービスを発表したが、ファンの怒りは収まらない。
「ソニーは日本の会社では無かったのですか。市場が縮小したとはいえ、自分たちの国を軽視するというのは企業の姿勢として如何なものでしょうか」「日本軽視もここまで来たら論外ですよ。3ヶ月って前代未聞でしょ…」「はっきりと日本のユーザーはどうでもよくて、海外市場だけを意識したマーケティングだと発表してくれた方がまだマシです」
などの辛らつな言葉がブログのコメント欄に並んでいる。