30日、柔道女子・日本代表選手ら15名が、園田隆二監督の暴力行為をJOCに告発したことが明らかになった。

昨年9月、柔道連盟に対し、一人の選手が同監督の暴力行為を訴え、監督は始末書を提出。だが、柔道連盟の対応は不十分として、12月に、強化選手ら15人が連名でJOCに告発するに至った。

それでも、柔道連盟は、園田監督を戒告処分としながらも、監督は続投すると発表。問題の解決を図った格好だが、JOC側は調査が不十分とし、改めて連盟の身内贔屓の体質が問題視されている。

そんな折、31日放送、TBS「みのもんたの朝ズバッ!」では、番組コメンテーターを務める有識者たちが同問題について、見解を述べた。

早大教授でマニフェストを提唱したことでも知られる北川正恭氏は、「デジャブというか、大相撲もそうだし、大津の教育委員会も、みんな身内の論理で親分−子分ということだと思う。一人が訴えてダメだから、15人が連名でというのは勇気がいったと思いますが、第三者を入れて、我々でもわかるように、こういう結果でこうなったっていうのをキチッとしないと、身内の論理がまたまかり通る。JOCに行ったわけですね。全柔連は外に行かれたこと自体が大問題」と切り出した。

すると、スポーツ選手のルポルタージュも多く執筆している作家・小松成美氏は「一人の選手が9月下旬に告発したという事実がありますが、この時期に意味がある。つまり、ロンドン五輪を終えなければ、告発することができなかった。監督は権力者で出場選手を選ぶことができる。その立場にある人の行為なんだということが大きい。隠すのではなく、何があって、暴力行為で犯罪に近いものなら一掃する勇気が柔道連盟には必要」と提言。

元ワシントン特派員・金井辰樹氏は「JOCに告発した段階で、少なくとも、選手たちは全柔連側に自浄作用はないんだろうと。もっというと、監督側の立場に立って物事を決めてしまうんだろうなという風に見切ってしまう。監督と選手の信頼関係は崩れていると言わざるを得ない」と語っている。