「身を切る改革」は大ウソだった

野田総理よ!

消費増税しても議員特権は死守するのかっ

マニフェストを無視した消費増税法案を衆議院で正面突破させた野田総理。それだけならまだしも、約束だった「身を切る改革」もまるでデタラメなのだ。庶民からむしり取った血税が国会に御座すセンセイ方の豪奢な生活費や遊興費と化している現実を知れば、「フザけるな、どじょう野郎!」と、怒鳴らずにはいられなくなる─。
オヤジの小遣いが3分の1に
 6月26日、野田総理が政治生命を賭してゴリ押しする消費増税関連法案が衆議院で可決された。これが参議院でも可決されれば、消費税は1年9カ月後の14年4月には8%に、さらに15年10月には10%にまで跳ね上がってしまうのだ。
 この愚策に憤りをあらわにするのは、経済評論家の森永卓郎氏である。
「これだけ大増税するのに、国民の生活がどうなるかという議論はまったく行われていません。ましてや給料が下がり続ける中で、庶民の生活はWパンチ。とんでもないことになるのは目に見えてます」
 暮らしに直結する消費税。電気、ガス、交通機関、飲食店など、公共料金をはじめとするありとあらゆる値上げが見越されるのだ。
 自動車など高額の買い物にはさらに負担増がのしかかる。例えば120万円の新車を購入すれば、自動車取得税、自動車重量税に加え、これまで6万円だった消費税は12万円に跳ね上がる。ましてやマイホームなどはさらに高根の花。1000万円の建物を建てれば50万円だった消費税は一挙に100万円まで膨れ上がることになるのだ。
 また、今回の消費増税とは別に、今年6月の時点で15歳以下の子供のいる家庭の住民税を減額する「年少扶養控除」が廃止され、来年1月からは、東日本大震災の復興財源の一部に充てる「復興税」も始まる。加えて、所得税は向こう25年間、税額の2・1%を上乗せすることが決まっている。庶民の暮らしをますます逼迫させる増税ラッシュが待ち構えているのだ。このうえ、消費税が2倍になれば、庶民の生活はどうなってしまうのか。前出・森永氏が悪影響を試算する。
「年収500万円の世帯でざっと14万4000円の負担増となります。これに厚生年金保険料や健康保険料の値上げ、さらには復興税などが加わり、15年10月までに、年間でおよそ30万円の負担額になることが予想されます」
 実に1カ月当たり2万4000円が飛んでいくことに。当然、支出を何か減らす必要に迫られるが、真っ先にトバッチリを食らうのはオヤジの財布だという。「バブル時期に平均7万円台だったサラリーマンの1カ月の小遣いは今、3万6000円にまで目減りしています。ここに2万4000円が直撃すれば、一気に1万2000円にまで値下がりすることになる。もはや昼メシは、卵かけ御飯程度になってしまう」(前出・森永氏)
 一家を支えるオヤジには、あまりにもわびしい風景ではないか。
「これは俺の金なんだよ!」
 こんな苦渋に満ちた庶民の暮らしなど知らぬ存ぜぬを決め込んでいるのは、どじょう総理ばかりではない。ヌケヌケと増税に賛成した国会議員こそ断罪されるべきだろう。ある議員のとんでもない発言を政治ジャーナリストが暴露する。
「民主党のベテラン議員が『国会議員ほどうまい商売はない。黙っていても毎月100万円は入ってくるし、政党助成金も年4回もらえる』などと恥ずかしげもなく言うんです。この議員は今回の増税採決で賛成票を投じました」
 月額129万4000円にボーナスを加えた約2100万円が国会議員の歳費だが、とりわけおいしいのが、このバカ議員が喜んでいる毎月100万円、年間で1200万円支払われる「文書通信交通滞在費」だ。領収書不要で、余っても返却の必要はない。民主党代議士秘書が仰天のエピソードを披露する。
「この100万円は本来、国民の代表として法案を作成したり、資料を取り寄せたり、調査をしたりするためのもの。ところが、現実は、議員の小遣いになっているケースがほとんどですよ。驚くのは、事務所ではなく議員の個人口座に振り込まれることです。ある中堅議員は『いいか、これは俺の口座に入ってるだろ。だから俺の金なんだよ』と言い放ちました」
 09年の総選挙で当選したある民主党議員は、この3年間で1500万円の蓄財に成功したという。当たり前だが、原資は国民の税金であり、政治活動費として使用せずポケットに入れる行為は、公金横領である。
 国民を愚弄する行為はこれだけではない。政治部デスクがあきれ顔で語る。
「民主党の中堅議員が最近、携帯電話を数台持ち始めた。うち1台は愛人専用です。彼はポケットに入れた文書通信交通滞在費を愛人との密会費用、レストランでの食事代などに使っている」
 また、国会議員にはJRなど鉄道の無料パスに加え、選挙区に帰るための航空券も支給されている。この手当は二重取りと言っていい。前出・秘書が言う。
「航空券などを私用で使う議員はゴロゴロいます。いちばん多いのはゴルフですね」
 昨年9月、平山誠参院議員(無所属)が、実在しない宮崎市内の住所を届け出し、航空券の支給を受けていたことが発覚。平山氏は新党大地・横峯良郎氏とゴルフ仲間で、実在しない住所は横峯氏の自宅所在地と酷似していた。国会でこれを指摘された平山氏は慌てて住所を別の場所に移したが、そこは横峯氏が主宰する「さくらゴルフアカデミー」のある、宮崎空港ゴルフセンターの住所だった。
 税金ドロボー議員は野放しなのである。