福留孝介は今日、シカゴ・ホワイトソックス=CWSから戦力外通告をされた。脇腹を痛めてDL入りしていたが、7月のフラッグ・シップ・ディールを待たずにクビ。これは、売り物にもならないという判断。1.5差でアリーグ中地区2位につけているCWSは、買い物をするために、40人枠を開ける必要があり、彼を外したということだ。

kohsuke-Fukudome20120622



4年総額4800万ドル。これはNPBの野手の評価がピークに達した時期の契約だ。「イチローと松井を合わせたような選手」とまで言われた。

そのデビューは、すばらしく、初打席で二塁打、9回には逆転3ランを打った。以後も好調を維持し、オールスターにも出たが、今思えば、これが福留のピークだった。

内角を徹底的に攻められた。打席でのけぞるようなしぐさも増えた。また、左投手との対戦は、1年目はむしろ良かった(.276)のだが、2年目に.164と急落し、以後は克服したものの(通算.251)「フクドメは左に弱い」というレッテルを貼られてしまった。

良い選手であることは、MLBでもよく知られた。リーグ屈指の選球眼の良さを誇り、IsoD(四球による出塁率)は.101。また右翼手としても守備範囲が広く、肩も良かった。的確な判断ができる外野手でもあった。

しかしながら1年平均1200万ドルで10本塁打.250でOPSが.800はあまりにもコストパフォーマンスが悪かった。3年目には「失敗」の烙印を押され、4年目の7月にはクリーブランド・インディアンス=CLEに売られた。今季はFAとなり、再びシカゴに帰ってきていた。

しかし数字は上がることなく、DL入り。今回の戦力外へと至った。数字を見れば致し方ないと思う。

高校時代から名を知られたエリート。攻守のバランスのとれた名選手だったが、結局、MLBの過酷な環境に対応することが出来なかったのだろう。一度失敗すると、悪い烙印を押されたままになるMLBの保守性もあったとは思うが。

35歳という年齢は、まだ働ける。福留はNPBに帰るべきだ。