今週の大きなニュースとしては「やっぱり進行していたベイスターズ身売り交渉」がある。
球団売却先としては、旅行会社の「エイチ・アイ・エス」やモバゲーで有名な「ディー・エヌ・エー」が報じられている。

売却交渉が進行中であったこと自体は驚くに値しない。
ベイスターズの売却騒動が発覚した昨秋から、経営難の原因である横浜スタジアムの高い賃料問題や、チームの不振による観客動員の伸び悩みは一向に改善されていないからだ。
遅かれ早かれ、ベイスターズは身売りされる運命にある。
残念だがしょうがない。

しかし、本来物悲しい身売り問題にも一縷の希望を見いだせるのは、エイチ・アイ・エスにせよ、ディー・エヌ・エーにせよ(恐らく)進取の気質に富んだ事業意欲のある企業だろうと言うことだ。
私は、なんとしてもベイスターズは球団経営というビジネスに発展的な可能性を見いだせる起業家精神に富んだ人物(または企業)に買収されてほしいと願っている。

怠惰なTBSは赤字垂れ流しのベイスターズが我慢ならないようだが、本来これほど全国的に老若男女に愛されている国民的娯楽の「プロ野球」が儲からないビジネスである筈が無い。
儲かっていないのなら、それは偏に経営的怠慢である。
しかも、人口の多い横浜市に本拠地を置き、熱心なファンに愛され、かつハマスタはJRを初め、3つの鉄道路線の駅から至便である。
既成概念に捉われない優秀な経営者が舵取りをすれば、莫大な利潤を生みだす可能性を秘めているのだと思う。
私は、エイチ・アイ・エスやディー・エヌ・エーについて詳しくは知らないが、恐らく彼らはその可能性に大いなるビジネスチャンスを見出しているのだと思う。

その点、昨年の「LIXIL」はどうかと思う。
巷に流れた情報だけで推測すると、「LIXIL」は立ち上げたばかりのブランドの認知獲得のツールとして球団買収を画策したようだ。
この発想は、過去数十年のトラディショナルなNPB経営者のそれとほとんど選ぶところが無い。
同社は今年、ブランド認知のためにTVで大規模な広告キャンペーンを展開したが、一定期間それを行うとパタっと止めてしまった。
いまや多くの国民が「LIXIL」って「知ってる」状態に成ったのだから、不必要に広告費を投入する理由が無いのだ。
と、言うことは仮に同社が当初の計画通りベイスターズを買収しても、今頃は「当初の目的を達成し」、赤字垂れ流しのベイがすでに重荷の状態になっている可能性は高いのではと思う。

そうなると、やはり球団の買収は「売名行為」のためではなく、「球団経営」自体にビジネスチャンスを見いだせる企業によらねばならないということになる。

したがって、(結果論だが)「LIXIL」に買われなくて正解だし、起業家精神に富んだ(と思われる)エイチ・アイ・エスやディー・エヌ・エーが候補社であることは喜ばしいと思う。