医療保険改革法案に関する下院の投票が先ほど実施され、去年の12月に上院で可決された「上院案」は賛成219、反対212で可決されました。(ホワイトハウスと下院による修正案の投票はこの後、速やかに投票に移ります。)

この票決の持つ意味は次の通りです:

1. 本法案は医療コスト削減より弱者救済を主眼としている
2. 裕福層から低所得者層へ、大企業から小企業へと「富の移転」が図られる
3. 「何も決められない議会」が面目を取り戻し、オバマ政権は勢いを盛り返す
4. 新金融規制法案(ボルカー・ルール)が勢いづく可能性がある

先ずこの法案で実際になにが変わるのかを整理し直したいと思います。

【すぐに導入される事柄】
新制度下では保険会社は被保険者が重い疾患に罹ったからといって、その被保険者を除外することはできません。また保険会社の負担が増えたからという理由でその被保険者が受けられる治療に上限を設ける(lifetime caps)ことは出来ません。

米国では大学を出たての若者が就職するとき、就職先が無かったり、仮に職を得てもその会社が医療保険を提供していなかったりして、医療保険に入れないケースが出ています。その問題を緩和するために26歳の誕生日を迎えるまでは親の医療保険プランに扶養家族扱いで含めてもらうことが可能になります。
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