岡村隆史、金城浩二
 世界で初めて、サンゴの人工養殖と産卵に成功した金城浩二。研究の難航、サンゴの人工養殖に反対する協会からのバッシング、多額の借金など幾つもの苦労と成功が書かれた自伝「てぃだかんかん -海とサンゴと小さな奇跡-」は多くの人の感動を呼んだ。そして、お笑いコンビ・ナインティナインの岡村隆史が金城氏を演じ実写映画化。「沖縄の現実を知らない人が大半だと思う」と、岡村自身も驚きを語っている。今回は3月5日“サンゴの日”にちなみ、金城氏と、金城氏を演じた岡村隆史にインタビューを敢行。公開に先駆けて映画や沖縄への想いを語ってもらった。

――映画、とても面白く拝見させていただきました。今回のお話を受けたときの感想をまず教えてください。

金城浩二(以下、金城):最初は真に受けなかったですね。本当にこうやって映画が完成されるとは思えなかったから。ロケが始まるまでは信じていなかったですね(笑)。

岡村隆史(以下、岡村):本当に僕で良いのかな、と思って。監督と去年の沖縄国際映画祭で初めてお会いした時に「僕は役者じゃないので、ご迷惑をおかけしてしまうかもしれませんがよろしくお願いします」という事だけ伝えました。プロットを見た段階で、ええなぁって思っていて、自分もダイビングをやるので、この役はやりたいと思って。

――出演は即決だった?

岡村:でもマネージャーは僕が受けないと思っていたみたいで「えっ!」って驚いてましたけど(笑)。その後やるって決めたものの、沖縄独特のイントネーションを表現することが一番不安な部分で。でも監督さんは、「気持ちがあれば大丈夫。楽しんでやってください」と言ってくれたので、楽しむことを考えて撮影に臨んでいました。

――劇中での穏やかな"沖縄弁"はとても成功していたように感じました。

岡村:方言指導の方が東京に来て軽く教えてもらって、その後はCDにセリフ全部を入れてもらって、iPodに落としてそれをずっと聞いて…という練習でした。僕一人暮らしなので、聞きながらセリフを発していると"できた気"になっちゃうんですね。でも実際に沖縄に行くと「アレ?」って。なので、常に方言が大丈夫かチェックしていただいてましたね。

――金城さんから見て、岡村さんの沖縄弁はいかがですか?

岡村:一回「中国人みたい」って言われましたね。

金城:違和感無くちゃんと聞けましたね。天才じゃないかなって。

岡村:(笑)。ずっと現場にいてくださったので、少しプレッシャーもありましたね。

――初めてお会いした時は、どのようなお話をされたのですか?

岡村:あと、カブトムシの話とか。映画の話や、サンゴの話もほとんどしなかったです。

金城:チビ達が「めちゃイケ」が大好きなので、家の中で僕の株があがりました(笑)。

岡村:撮影の合間に少し時間あったものですから、読谷で子供達とお話したりしました。