【UFC100】GSP×ピッチブル、“神の階級”その頂点に立つのは?
11日(土・現地時間)、ラスベガスのマンダレイベイ・イベントセンターで行われるUFC100。メインのヘビー級対決がカジュアルファンを巻き込んだメインイベントなら、セミのGSP×チアゴ・ピッチブル・アウベス戦は、コアMMAファンにとって絶対に見逃せない一戦となる。
昨年4月の王座奪回以来、ジョン・フィッチ、そしてBJ・ペンに圧勝しているGSP。そのBJ戦では、セコンドがワセリンを肩の回りに塗る行為が問題となったが、ワセリンはセコンドでなく競技運営サイドから派遣された者が塗ることにレギュレーションが変更、彼へのお咎めはなかった。
その後、BJサイドの執拗な再戦要求や挑発に対し、一貫として強気の態度を貫くなど、ただの品行方正な青年だけでない我の強さを見せ始めた王者、それだけ精神的な強さも身に付けたといってもいいだろう。
一方、ブラジルのバーリトゥードどころノルジスト出身、ムエタイがベースでATTにより打撃、レスリング、柔術と全ての面で強化されたピッチブルが、ついに最強のチャレンジャーとしてGSPに挑む。
昨年7月にマット・ヒューズをヒザ蹴りで倒した直後にトップ・タイトルコンテンダーの地位を手にした。しかし、その試合では足の負傷もあり計量をパスできなかったため、ズッファは3カ月後にディエゴ・サンチェス戦という厳しいマッチメイクをピッチブルに課していた。
結局、ディエゴの負傷で急きょ代役出場となったジョシュ・コスチェックを判定ながら、打撃で圧倒し、BJ×GSP戦が終了するのを待つ形で王座挑戦が現実のものとなった。
打撃、レスリング、柔術的なポジショニングと極め、MMAに必要な全てのエレメントで10点満点をつけることができるコンプリートファイターのGSPは、フィジカルも試合を重ねるごとに強くなっており、穴という穴が見当たらない。
一方、チャレンジャーのピッチブルは強烈なローとヒザの持ち主で、徹底して倒れない、倒されても立つファイトを実践してきた。その倒れないレスリング力は、キング・モーの友人で、チーム・クエストのカミ・バルジーニと合流することで、さらに熟練度をアップさせている。
それでもMMA界で最もテイクダウンが強いファイターの一人となったGSPに対し、寝技の攻防を強いられることも十分に考えられるが、そこはATTの十八番ともいえる柔術のテクニックも十分に叩き込まれている。
フィジカル面でも、ATTを離れたベンケイ・トレーナーをパーソナルで雇い、まずは問題ない体調で試合に挑むことになると予想されるピッチブル。ただし、彼の打撃を支えてきたモハメッド・オワリが米国へ入国するために必要なビザの習得に手間取り、今回の試合では綿密なトレーニングが積めていないという情報もある。
6月第1週からコロラドスプリングで試合直前まで行われる予定だった高地トレーニングでは、オワリの代役としてオランダのパンクラチオン(旧チャクリキ)からコーチの招聘も考えられていたが、マネージメントの不備により、僅か1週間でフロリダに撤退している。
大切な試合を前にして、ゴタゴタした周囲の状況を打破するかのごとく、トレーニングに打ち込んでいると伝わってくるが、精神面のコンディションがどうなのかは気になるところだ。
リョートの王座奪回で、カラテ・スタイルに注目が集まるなか、GSPも元々は極真出身のファイター。ピッチブルの強烈なローキックをどのように捌くことができるのか。ロー×テイクダウン、そして精神面の削り合い――、5R戦が初めての挑戦者サイドの戦略によるもが、王者の経験がやや挑戦者を上回るか。
世界最高、神の階級のトップ対決の予想は困難だ。
■UFC100 全対戦カードは下記の通り
<UFC世界ヘビー級王座統一戦/5分5R>
[王者]ブロック・レスナー(米国)
[暫定王者]フランク・ミア(米国)
<UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者]ジョルジュ・サンピエール(カナダ)
[挑戦者]チアゴ・アウベス(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
ジョン・フィッチ(米国)
パウロ・チアゴ(ブラジル)
<ミドル級/5分3R>
ダン・ヘンダーソン(米国)
マイケル・ビスピン(英国)
<ミドル級/5分3R>
秋山成勲(日本)
アラン・ベルチャー(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
マーク・コールマン(米国)
ステファン・ボナー(米国)
<ライト級/5分3R>
マック・ダンジグ(米国)
ジム・ミラー(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
ジョン・ジョーンズ(米国)
ジェイク・オブライエン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
キム・ドンヒョン(韓国)
TJ・グラント(カナダ)
<ミドル級/5分3R>
CB・ダラウェー(米国)
トム・ローラー(米国)
<ライト級/5分3R>
マット・グレイス(米国)
シャノン・グジェルティ(米国)
昨年4月の王座奪回以来、ジョン・フィッチ、そしてBJ・ペンに圧勝しているGSP。そのBJ戦では、セコンドがワセリンを肩の回りに塗る行為が問題となったが、ワセリンはセコンドでなく競技運営サイドから派遣された者が塗ることにレギュレーションが変更、彼へのお咎めはなかった。
一方、ブラジルのバーリトゥードどころノルジスト出身、ムエタイがベースでATTにより打撃、レスリング、柔術と全ての面で強化されたピッチブルが、ついに最強のチャレンジャーとしてGSPに挑む。
昨年7月にマット・ヒューズをヒザ蹴りで倒した直後にトップ・タイトルコンテンダーの地位を手にした。しかし、その試合では足の負傷もあり計量をパスできなかったため、ズッファは3カ月後にディエゴ・サンチェス戦という厳しいマッチメイクをピッチブルに課していた。
結局、ディエゴの負傷で急きょ代役出場となったジョシュ・コスチェックを判定ながら、打撃で圧倒し、BJ×GSP戦が終了するのを待つ形で王座挑戦が現実のものとなった。
打撃、レスリング、柔術的なポジショニングと極め、MMAに必要な全てのエレメントで10点満点をつけることができるコンプリートファイターのGSPは、フィジカルも試合を重ねるごとに強くなっており、穴という穴が見当たらない。
一方、チャレンジャーのピッチブルは強烈なローとヒザの持ち主で、徹底して倒れない、倒されても立つファイトを実践してきた。その倒れないレスリング力は、キング・モーの友人で、チーム・クエストのカミ・バルジーニと合流することで、さらに熟練度をアップさせている。
それでもMMA界で最もテイクダウンが強いファイターの一人となったGSPに対し、寝技の攻防を強いられることも十分に考えられるが、そこはATTの十八番ともいえる柔術のテクニックも十分に叩き込まれている。
フィジカル面でも、ATTを離れたベンケイ・トレーナーをパーソナルで雇い、まずは問題ない体調で試合に挑むことになると予想されるピッチブル。ただし、彼の打撃を支えてきたモハメッド・オワリが米国へ入国するために必要なビザの習得に手間取り、今回の試合では綿密なトレーニングが積めていないという情報もある。
6月第1週からコロラドスプリングで試合直前まで行われる予定だった高地トレーニングでは、オワリの代役としてオランダのパンクラチオン(旧チャクリキ)からコーチの招聘も考えられていたが、マネージメントの不備により、僅か1週間でフロリダに撤退している。
大切な試合を前にして、ゴタゴタした周囲の状況を打破するかのごとく、トレーニングに打ち込んでいると伝わってくるが、精神面のコンディションがどうなのかは気になるところだ。
リョートの王座奪回で、カラテ・スタイルに注目が集まるなか、GSPも元々は極真出身のファイター。ピッチブルの強烈なローキックをどのように捌くことができるのか。ロー×テイクダウン、そして精神面の削り合い――、5R戦が初めての挑戦者サイドの戦略によるもが、王者の経験がやや挑戦者を上回るか。
世界最高、神の階級のトップ対決の予想は困難だ。
■UFC100 全対戦カードは下記の通り
<UFC世界ヘビー級王座統一戦/5分5R>
[王者]ブロック・レスナー(米国)
[暫定王者]フランク・ミア(米国)
<UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者]ジョルジュ・サンピエール(カナダ)
[挑戦者]チアゴ・アウベス(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
ジョン・フィッチ(米国)
パウロ・チアゴ(ブラジル)
<ミドル級/5分3R>
ダン・ヘンダーソン(米国)
マイケル・ビスピン(英国)
<ミドル級/5分3R>
秋山成勲(日本)
アラン・ベルチャー(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
マーク・コールマン(米国)
ステファン・ボナー(米国)
<ライト級/5分3R>
マック・ダンジグ(米国)
ジム・ミラー(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
ジョン・ジョーンズ(米国)
ジェイク・オブライエン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
キム・ドンヒョン(韓国)
TJ・グラント(カナダ)
<ミドル級/5分3R>
CB・ダラウェー(米国)
トム・ローラー(米国)
<ライト級/5分3R>
マット・グレイス(米国)
シャノン・グジェルティ(米国)