今回の【ドラマの女王】は、NHK朝の連続テレビ小説『だんだん』です。1996年に放送された朝ドラ『ふたりっ子』では小学生だった「マナ・カナ」の二人ももう22歳。今年大学も卒業し、オトナの女になりました。『ふたりっ子』に比べいまいち視聴率はふるいませんが、みんなの注目を集める展開があります。それは。。。。


祇園の舞妓だった母(石田ひかり)とボクサー(吉田栄作)の間に生まれた双子の女の子(三倉茉奈・三倉佳奈)が、一人は母の元で育てられ舞妓になり、もう一人がボクサーをあきらめてシジミ漁師となった父と義理の母の元で育てられる。ある日偶然二人は出会うことに。。。。という「ふたりのロッテ」みたいなよくある話に、「赤いスイトピー」や(双子だからって)ザ・ピーナッツの「恋のバカンス」など、今年はやり昭和歌謡を無理矢理詰め込んだ年配者向けドラマである。

今回のNHK朝ドラの、「なにもかも古い作り」には理由がある。今年前半放送の榮倉奈々主演『瞳』では、EXILEの眞木大輔(MAKIDAI)や、AAAの宇野実彩子など、斬新なキャスティングと時代性を盛り込んで若者層からの指示を狙ったが、肝心な夏休み中もたいして視聴率がとれず惨敗に終わった。『瞳』は、西田敏行、木の実ナナ、前田吟など大変豪華なベテラン陣が脇を固め、ストーリーも悪くなかったがヒップホップダンスのシーンで年配層が飽きてしまい、今や3世代でドラマを見る時代では無い事をしらしめ、その教訓で『だんだん』は古臭い。NHK朝ドラの視聴者の大多数は高齢者なのだ。

『だんだん』に話を戻すと、すっかりシワっぽくなった石田ひかりや、バブル思い起こす吉田栄作を見ると記者も自分の年齢を感じずにはいられないのだが、今だ『愛の新世界』(1994年公開 日本映画初のヘアヌードが話題になったSM嬢の日常を描いた秀作。)の強烈な印象の抜けない鈴木砂羽が、娘たちの母である芸者(石田ひかり)と夫(吉田栄作)の間に心を掻き乱される母という難しい役どころを漁場の女性としては厚化粧ながら好演している。

主人公の二人が共に恋するミステリアスな芸能マネージャー石橋(山口翔悟)が、若すぎてそれらしく見えない。若い女性の心をもてあそぶ様なもっと大人の男、現在『ギラギラ』(朝日放送)に主演中の佐々木蔵之助ぐらいが適当であろう。めぐみ(三倉茉奈)に思いを寄せている「シジミジル」のバンド仲間、山田康太を演じる久保山知洋も存在感がいまいちだ。『瞳』でできなかった“イケメン回収”は今回も失敗か。

ここまで言うと、“ダメダメ”な『だんだん』に見えるが、マナとカナの清純なかわいらしさやキレイな声のコーラスは、忙しい日本人の心を毎日癒してくれる。のんびりしすぎた置屋や、京都祇園の伝統も垣間見れるが、祇園の伝統、舞妓とくれば『水揚げ』。これはドラマ上、避けて通れない伝統行事(実際は「売春禁止法」に引っかかるので禁止。)。石橋への“初恋”を胸に秘めた夢花(ユメハナ)=のぞみ(三倉佳奈)が、金でヒヒジジィに抱かれる日は来るのか?ドラマ後半の最大の見せ場に持ってくるのか、スルーするのかそこは視聴率をとりたいNHKしだいだ。

HKK連続テレビ小説『だんだん』

(編集部:クリスタルたまき)

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