エンジニアにオススメ!?箱庭づくりで心を癒す

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無茶な過重労働、不規則な生活、運動不足……。肉体的に過度なストレスに加え、人間関係や仕事への不満などがたまっていくと、メンタルヘルス不全を起こしてしまうこともある。そんなストレスを発散させるエンジニア向けの手法として「箱庭づくり」を紹介しよう。

メンタル状態は自ら動かないとわからない
 企業や組織に所属しているエンジニアなら、年に1回は健康診断を受けるはず。「中性脂肪の数値が高い」「動脈硬化指数が上がった」など、健康診断のフィードバックをもらうことで、自分の健康状態がわかる。しかし健康診断でチェックされるのは、あくまでも肉体の健康。心や精神の健康は健康診断ではなかなかわからない。
「健全なる精神は健全なる身体に宿る」「病は気から」という言葉があるように、身体と心の健康は密接な相関関係にある。残業や土・日出勤などが続き、なかなか身体を休める機会がなくなると、肉体的だけではなく、精神的にも疲労やストレスがたまっていっていく。心身の健康を保つためには、これらの疲労やストレスなどによる心身の緊張を解き放つことが必要だ。
 ストレスを解消する手段は、休養することはもちろん、運動をしたり、趣味に没頭したりとさまざまある。しかし日々の仕事に追われていくうちに、先に挙げたような緊張を解き放つ機会を逸し、知らず知らずのうちに、ストレスが蓄積され、心の健康が損なわれているのかもしれない。
 日ごろ、気づかない心の健康。今回は心の健康度合いをチェックでき、かつ「モノづくり」が好きな人なら、箱庭を「つくる」ことによってストレスをも解消する「箱庭療法」を紹介する。

■箱庭療法とは
心理的問題の解決や精神的健康を増進するために行う心理療法のひとつ。制作者は砂の入った57cm(縦)×72cm(横)×7cm(高さ)の箱の中に、石や人形、ミニチュアなどのオブジェクトを自由に置き、自分の世界をつくる。そこに表現された世界から、制作者の心理状態を分析するという手法。箱庭作製中、また作製後に箱庭についてセラピストと話していく中で、自分の本当の気持ちや潜在的な意識に気づくことができる。また箱庭表現そのものが、制作者の心のバランス機能に働きかける効果もある。
日本に箱庭療法が導入されたのは1960年。河合隼雄氏によって紹介された。箱庭は遊戯療法の一種であることから、子供向けと思われることも多いが、大人でも玩具を使うことで、心の緊張を解放することができるため、箱庭療法は有効だと考えられている。

箱庭で心の健康度をチェック
 今回、箱庭づくりにチャレンジしてくれたのは、化学系エンジニアのM.Tさんと、ITエンジニアのT.Sさん。仕事上のストレスはそれなりに感じているという。日本心理専門士協会の協力を得て、箱庭療法を実施。箱庭は彼らのどんな内面世界を表現したのか、見てみよう。

■テーマ:夏の海
<M.Tさんの解説>
夏休みに帰省した地元の海を再現しました。人でにぎわい、楽しくてキラキラしている様を表現。戦闘機を配置したのは、地元に海上自衛隊の基地があったから。海の部分は、もう少し魚など海の生物のオブジェクトがあれば、配置して飾りたかったです。

■心理カウンセラーの分析
 キラキラした石を使ったり、テーブルの上にはビールが用意されていたりなど、楽しそうな夏の海が表現されています。M.Tさんは「元気もりもり」が口癖とおっしゃっているように、その元気さがこの箱庭にも表れたんでしょうね。
 このような造形の箱庭の場合、陸地の部分は現在の状況で、海の部分が未来を表していると見ることができます。オブジェクト数の多い現在はいろいろ興味のあることもたくさんあり、それなりに充実しているのではと思われます。一方、オブジェクト数の少ない未来に関しては、これから夢や目標を見つけていく途上にあるのでしょう。それは「海の部分にもっとオブジェクトを置きたかった」「海に向かって戦いを挑む自分を表現した」というM.Tさんの言葉からもそう分析できます。石や貝などは無造作にバラバラと配置している感じですが、出来上がってみるときれいに設置されていることから、慎重さもうかがえます。今後は、慎重すぎず、もう少し大胆に夢や目標に向かっていってもよいのかもしれません。
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