UPA規格のPLCアダプター"LPL-TX/S"

写真拡大 (全6枚)

PLC(Power Line Communications)は、既存の電源コンセントに接続するだけでネットワークを構築できることから、無線LANに代わる家庭向けのネットワークとして注目を集めている規格だ。本特集では、最初にHD-PLC規格のPLCアダプター"PLC-ET/M-S"は、2回目にHomePlug規格のPLCアダプター"CNC-1000"を取り上げたが、この2つの規格以外にも"UPA"という規格がある。そこで今回は、UPA規格に準拠したロジテック製PLCアダプター"LPL-TX/S"を試してみた。

■"PLCアダプター"の特徴と機能

"LPL-TX/S"の最大の特徴は、リピーター機能を搭載している点だ。UPA規格では、家庭内で使用するPLCアダプターのネットワーク内で、1台のPLCアダプターに対して複数のPLCアダプターを繋いでいく方式でネットワークを確立する。このため、PLCアダプター同士は必ず通信ができる状態で複数台をつなげていく必要がある。つまりPLCアダプター同士があまりに離れている場合には、中間にPLCアダプターを追加しないと通信ができなくなる場合もあるというわけだ。
写真:"LPL-TX/S"の化粧箱

UPA規格の本製品では、親機と子機という概念がもともとなく、2台のPLCアダプターの間の距離を伸ばす場合は、その間にPLCアダプターを追加することで、離れた場所にあるアダプター間でも通信が可能になる。
写真:縦置きにしたPLCアダプター"LPL-TX/S"

本製品は、"縦置き"と"横置き"の両方に対応しているので、設置場所にあわせた置き方ができる。本体の大きさは、縦置き時で幅34×奥行き132×高さ155mm(縦置き時,スタンド/突起部を除く)。重さは、約400g(スタンド除く)。通信速度は、最大200Mbpsで、16台までのアダプターを接続 することができる。
写真:背面から見たPLCアダプター"LPL-TX/S"

セキュリティ対策には、アダプター側で"ネットワークID"と"3DES"の暗号キーを使用している。これらの設定は、パソコンで設定画面を表示して変更することができる。
写真:"LPL-TX/S"の設定画面

■測定値・実際の速度チェック

"LPL-TX/S"の通信速度は、どれほどのものか。早速、オフィスと一般家庭でテストしてみた。
家庭のインターネット環境は、USENの"GyaO光 ホームタイプ"を契約。2階に光ファイバーを引き込み、光モデムで100BASE-Tのイーサーネットに変換後、IEEE802.11a/g対応の無線LANルーターを通して使用している。通信速度は、理論値で上り下り最大100Mbpsだが、実測値は80Mbps前後。使用したコンセントは、2階と1階の計3箇所。
写真:"2階の洗面所"でインターネットに接続

表1.測定値での通信速度
測定場所1回目2回目3回目4回目
2階の洗面所23.79Mbps23.81Mbps23.79Mbps23.79Mbps
1階の和室9.79Mbps9.84Mbps9.84Mbps9.74Mbps
1階のリビング13.4Mbps13.4Mbps13.4Mbps13.4Mbps
となりの机26.64Mbps25.87Mbps25.87Mbps25.87Mbps
うしろの机10.3Mbps10.54Mbps10.06Mbps10.18Mbps


オフィスでの通信速度は、前回のPLCアダプター"CNC-1000"の場合、となりの机が約18.38Mbps、うしろの机が約16.5Mbpsであった。今回の測定結果を見ると、前回のPLCアダプターに比べて、となりの机は7Mbpsほど高速だが、うしろの席は6Mbpsほど遅い結果が出た。前回と同様に、デスクから離れた場所にある給湯室と自動販売機が接続されているコンセントでの通信も行ったところ、給湯室は通信できなかったものの、自動販売機のコンセントでの通信は、前回よりも高速な結果が得られた。

表2.測定値での通信速度
測定場所1回目2回目3回目4回目
自動販売機3.51Mbps3.5Mbps3.4Mbps3.35Mbps


"LPL-TX/S"は、インターネットの元に近い電源コンセントでは、20Mbps以上の高速な速度で通信できるのが魅力だ。その反面、少し離れたコンセント(1階の和室、1階リビング、うしろの机)では、通信速度は極端に下がる結果が出ている。この傾向は、前々回の"PLC-ET/M-S"でも現れた現象でもある。ただし、もっとも通信が遅い"うしろの机"でも10Mbps以上の通信速度が確保されており、フラッシュを掲載したサイトや動画サイトも、体感的にストレスなく見ることができた。

PLCアダプターは、アダプター間の距離が長いと、通信速度が低下する傾向があるが、本製品であれば、アダプターの追加によりアダプター間の距離を短くできるので、高速な通信速度を確保できるだろう※。

※電気配線が複雑な場合には、効果が出ない可能性もある

■これもオススメ!最新インターネットニュース
【PLCの実力チェック】使える場所の多さが魅力!PLCアダプター"CNC-1000"HomePlug編
【PLCの実力チェック】電源コンセントで高速インターネット!PLCアダプターの実力は?"PLC-ET/M-S"HD-PLC編
【トレンドキーワード】良識疑うTV局に相次ぐ芸能人の"離婚"、日本"三大王子"って?
【気になるトレンド用語】ネットは終わったか?"悪"にされたオンラインストレージ
【アキバ物欲】麻生大臣のカステラ!チョイ不良オヤジの"太郎ちゃん牛乳カステラ"

PLCアダプター"LPL-TX/S"
ロジテック株式会社

■今話題の"事件・人・流行"が一目でわかる!無料で毎日お届け!
トレンドが読める「ドア日新聞」の購読は今すぐこちらから

編集部:関口 哲司
Copyright 2007 livedoor. All rights reserved.