ジャニーズ退所のJr.グループが事実上の再結成、“隙間勝負”で挑むジャニの壁
昨年、メンバー全員のジャニーズ事務所からの退所が発表され、ファンに衝撃を与えた、Jr.の人気ユニット『Love-tune』。
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安井謙太郎、真田佑馬、諸星翔希、森田美勇人、萩谷慧悟、阿部顕嵐、長妻怜央の7人組で、歌とダンスのほかに、バンド演奏も武器のひとつ。いずれも人気Jr.で、2018年春には横浜アリーナでの単独公演も成功している。
順風満帆に見える活動ぶりだったが、同年11月末に7人全員が退所を発表した。うち5人が発表と同時に、森田美勇人が12月末に、そして安井謙太郎が今年の3月いっぱいで退所し、7人全員がジャニーズ事務所を去った。
事実上の再結成
彼らのその後の動向に注目が集まっている中、4月18日深夜スタートで、お笑いコンビ『タイムマシーン3号』がMCを務めるTOKYO MXの新番組『イケダンMAX』に安井を除く元メンバー6人が、レギュラー出演すると電撃発表された。
《6人のイケメン男子が単なる「イケメン」ではなく、世のため、人のためになることを追求し、頭と体を使ってそれを実践していく番組である》(番組公式サイトより)
「最初は、それぞれが今後も芸能活動を続けていくのかどうかもわかりませんでした。しかし、1月には萩谷くんの仮面ライダーの舞台出演が決まり、続いて真田くんが楽曲の配信を開始、諸星くんも舞台が決定。ジャニーズを退所しても、おのおのがすぐに芸能活動を再スタートさせました。とはいえ、さすがにグループとしての活動は難しいと思っていたので、事実上の“再結成”には驚くばかりです」
と、ジャニーズJr.事情に詳しいあるテレビ誌記者は言う。
「退所後の2月、真田くんと阿部くんが、MXの情報番組にいきなり出演したんです。テレビで元気な姿が見られたことにファンは大喜びでしたが。それが伏線だったのか、すでにある程度、番組の企画も進んでいたのか、もしくは、これが好評だったのか、いずれかがレギュラー出演決定のきっかけでしょうね」(同記者)
それにしても、過去のジャニーズ事務所の退所組と比較すると、退所から再始動まで、かなりスピーディーな印象を受ける。これについて、ある芸能ジャーナリストは、「TOKYO MXという選択がよかったのでは」と言う。
「現在、MX制作の番組にジャニーズタレントがレギュラー出演する番組はありません。元SMAPで『新しい地図』の3人が出演するAbemaTVなどのインターネットTVもそうですが、ジャニーズタレントが携わっていないメディアという隙間を狙えば、ある程度、自由な活動ができるわけなんですよね」
とはいえ、多くのファンがこの顔ぶれを見ると、ジャニーズ時代を思い出すことは明白だ。それまでと同じ雰囲気を漂わせた状態での“再始動”は、ジャニーズ側にとっては、あまり望ましいことではないのではないだろうか。
“隙間”で勝負
そこは、「新しい地図の3人の活躍も影響を与えているのでは」と、前出の芸能ジャーナリストは言う。
「たとえ、実際にはそうでなくても、彼ら3人の活動が制限されると『圧力がかかった』と、結びつけられてしまう時代。どちらかというと、テレビ局などが勝手に空気を読んで、控えているような状況です。
でも、現役ジャニーズと脱ジャニーズが“丸かぶり”しなければ、お互い問題ないといったところで落ち着いています。まさか、ほぼフルメンバーがそろった形で彼らの姿が見られるとは思っていなかったファンの喜びぶりを思えば、そこはよかったのではないでしょうか」
そして、現在のボーイズグループアイドルを取り巻く事情も影響しているのではないかと、同ジャーナリストは分析する。
「ジャニーズ以外の芸能事務所から、明らかに“ジャニーズっぽい”感じを漂わせるボーイズグループが次々と誕生し、それぞれに人気を得ています。さらには韓国系のグループも続々と日本に進出しています。
彼らもそれぞれの『隙間』を見つけながら順調にファンを増やしていますが、ジャニーズファンの母数は段違いなうえ、あくまでも『隙間』しか狙えていない状況です。そう思うと、たとえJr.でも確実に一定のファン数が存在するわけですから、ジャニーズの威力は衰えていませんね」
無事に初回放送をすませた元『Love-tune』。今後は安井も合流し、7人そろっての活動再開もあるのか、期待度は上がるばかりだ。
<取材・文/渋谷恭太郎>