アリーナ・ザギトワ【写真:Getty Images】

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6歳当時に母の意向で新体操へ、「これがどう役立つの?」と聞くと…

 フィギュアスケートの平昌五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワ(ロシア)がロシアの人気番組「ヴェーチェルヌイ・ウルガント」に出演。ザギトワの衣装を模したチュチュ姿の愛犬マサルと共演し、話題を呼んでいるが、放送された番組ではキャリアにおいてフィギュアを辞めた過去を明かしている。

 出演に際し、インスタグラムでチュチュ姿の愛犬マサルと赤で統一した“お揃いコーデ”の写真をアップし、話題を呼んでいたザギトワ。ロシアでマルチタレントとして知られるイワン・ウルガント氏が司会を務める人気番組で、競技の裏で過酷な体重管理について戦っていると語り、さらに話は優勝した3月の世界選手権(埼玉)に及んでいた。

 大会前に出場を巡り、辞退することもロシア国内で囁かれていたザギトワ。司会者から「世界選手権の3日前にあなたは大会の出場を辞退したかったと言われています。なぜですか?」と単刀直入に切り込まれ、「難しい質問です。準備が難しかったんです」と返答。さらに、こう続けた。

「そして、まさに体重の問題がありました。加えてジャンプがうまくいかなくなっていました。私はただ単にロシアの名誉を傷つけたくなかった。なぜなら、私は自分のためだけではなく、ロシアのためにも演技しているからです」。体重管理の問題から調整がうまくいかず、国のために出場しないという選択があったという。

フィギュア愛あふれるエピソード、競技ができないと知ると泣き崩れた

 支えになったのはコーチ陣と話し合い、周囲から多くのサポートを受けたこと。「私はこの人たち、そして、ロシアと自分自身の期待を裏切ることはできないと分かったのです」と出場を決断したという。さらに、話は過去のキャリアに及び、司会者は「あなたは7回、競技を辞めたくなったというのは本当ですか?」と質問。ザギトワは「何回も辞めたくなりました」と明かしたが、続けて披露したのはフィギュア愛あふれるエピソードだ。6歳の頃、母の意向でフィギュアを実際に辞め、新体操を始めたという。

「最初は理解できませんでした……」とザギトワ。母から「手足の伸びや柔軟性を磨くために行くのよ、フィギュアでそれができるように」と説明され、一度は同意した。しかし、その後に新体操で本格的に練習が始まっていき、母に「なぜ、私にプログラムが課されているの? これがフィギュアにどう役立つの?」と聞くと「知っているの、私たちは(フィギュアを)辞めたのよ……」と返されたという。「私はとても激しく号泣しました」と大好きなフィギュアができないことを悲しみ、泣き崩れたと語った。

 なぜフィギュアを辞めさせたのか、母の真意は明かさなかったが、そんな娘を見かねたのか、結局、フィギュアに連れて行かれ、再び競技に打ち込めることになったという。もし、そのまま新体操に打ち込んでいたら、フィギュアの五輪女王は生まれなかった。体重の格闘、競技の継続……。16年の人生においても、多くの困難を乗り越え、今のザギトワがいる。(THE ANSWER編集部)