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説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『いつの間にかiPhoneの時計がズレています!?』という質問に答えます。

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テレビで時報が知らされたときiPhoneの時計を見たら少しズレていた、という経験はありませんか? ある設定を変更していれば、iPhoneの時計が実際の時刻(日本標準時)から数十秒、数分ズレていたとしても不思議ではありません。時刻に関する設定を適当に変えたかも……思い当たる節はありませんか?

iPhoneを含むほぼすべてのスマートフォンには、時計の役割を果たすIC「ハードウェアクロック」が内蔵されており、いろいろなアプリに利用されています。スマートフォンにかぎらず、パソコンやテレビ/ビデオレコーダーなど日付・時刻が重要な意味を持つデジタル家電には、必ずといっていいほどハードウェアクロックが搭載されています。

それとは別に、システム(OS)が管理する「システムクロック」も存在します。一般的には、OSが起動するときにハードウェアクロックを読み取り、それをもとにシステムクロックを設定します。しかし、ハードウェアクロック/システムクロックともに狂いが生じやすく、1秒以下のレベルで正確な時間を維持し続けることは困難です。

そこで、iPhoneでは携帯電話回線を利用して時刻を自動的に修正する「NITZ(Network Identity and Time Zone)」という規格を利用し、時計の正確性を維持しています。NITZは第3世代携帯電話システムの国際技術規格「3GPP」で規定され、世界中どこにいても正確な時刻を保てることを目指しています。

そのNITZを利用するためのスイッチが、『設定』→「一般」→「日付と時刻」にある「自動設定」スイッチです。このスイッチがオン(緑色)の場合、システムは定期的にNITZの規定に従い同期を行い、システムクロックの正確性を保ちます。オフ(白色)の場合、NITZによる同期は行われませんから、徐々にズレが生じてくるというわけです。iPhoneの時計が数秒以上ズレているとわかったときには、この「自動設定」スイッチの状態を確認しましょう。