セスクらを熱心に指導してきたコンテ。だったが、クラブ首脳陣との衝突が絶えず噂され、解任の憂き目にあった。 (C) Getty Images

写真拡大

 昨シーズン中から進退が騒がれていたチェルシーの指揮官アントニオ・コンテは、新シーズンに向けて始動したチームを指揮していたが、以前から報じられていたように、クラブはコンテとの別れを決意した。
 
 現地7月12日、イギリスやイタリアの有力メディアが、チェルシーがコンテを解任したと一斉に報じた。

 2016年夏にチェルシーに就任したコンテは、1年目でプレミアリーグ制覇を達成。昨シーズンもFAカップで優勝し、2年連続でのタイトル獲得を成し遂げていた。だが、昨シーズンのプレミアリーグでの成績がまずかった。連覇が期待されながらリーグで5位に終わり、チャンピオンズ・リーグ出場権を獲得できなかったのだ。

 以前から指揮官との確執が騒がれてきたチェルシーは、13日に公式声明を発表し、「アントニオの未来の成功を祈っています」と短くメッセージを寄せた。さらにスペイン代表MFのセスク・ファブレガスはツイッターで、「リーグとFAカップで優勝させてくれて、ありがとう監督」と、惜別のメッセージと捉えられるツイートを投稿している。
 
「最初はあなたを納得させるのが簡単じゃなかった。だけど最後は、あなたを誇らしくさせることができたと願っているよ!今後の幸運を祈る」

 また、昨年夏に退団した元主将のジョン・テリーも「ボスのすべてにありがとう」とツイート。さらに次のように続けている。

「自分のキャリアにおいて最も難しいシーズンとなるはずだった時期に、アントニオは誠実で敬意を払ってくれた。そして、僕が必要としたときにはいつもそこにいてくれた。彼との仕事や彼から学ぶのが大好きだった。ボス、すべてにありがとう」

 コンテの後任として有力とされているのが、昨シーズンまでナポリを率いていたイタリア人指揮官のマウリツィオ・サッリだ。同クラブのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長は先日、「サッリのチェルシー行きは近い」と話していた。

 ナポリからは、恩師サッリを追うように、マンチェスター・シティ移籍が有力視されていたジョルジーニョがチェルシーに向かうと見られている。また、かつての教え子であるユベントスのゴンサロ・イグアインやダニエレ・ルガーニの獲得が実現するかも注目だ。

 マンチェスター・Cのジョゼップ・グアルディオラ監督が絶賛する戦術眼を持っているサッリは、秒読み段階となったチェルシーで、どんなサッカーを見せるのか。今は正式発表を待ちたい。