ヤフー、「女性エンジニアが少ないと男性エンジニアのやる気が出ない」発言を謝罪「不適切な表現複数あった」
ヤフーに所属する男性エンジニアが、4月に社外で行われたエンジニア向けイベント「バトルカンファレンス30」内で行った講演について、同社は6月22日、「不適切な表現が複数あった」として謝罪文を掲載した。講演の内容がIT系ネットメディア「ログミーテック」に掲載された後、21日頃からネットで「女性を馬鹿にしている」という声が多数上がっていた。
イベントはサイバーエージェントが主催。30歳以下のエンジニア向けに、IT企業でエンジニアを務めるスピーカーが、自身の取り組みについて講演するものだった。
ヤフーのエンジニアは、機械学習の面白さを知ってもらう一例として、女性エンジニアが少ない問題を解決するために機械学習がどう役立つか話した。その際、冒頭で
「これ(編集部注:女性エンジニアが少ないこと)によって生じる問題は、男性エンジニアにとっては、『いいところを見せたい』というやる気が出ない。そして、女性エンジニアにとっては、女子トークができない。これは非常に重要な課題だと思います」
と発言していた。
「エンジニアじゃなくて優しそうな女性が欲しいだけなのでは」
ネットではこの発言に、「女性エンジニアは男性エンジニアのやる気を出すための存在じゃない」「下心でエンジニア求めるのはNG」といった声が出たほか、
「これ何かのジョーク?男性は職場に女性がいるとやる気が上がる?女性は職場で女子トークができないとやる気が下がる?は?この空想上の男女共に、何しに仕事行ってるんだ?」
「女性エンジニアじゃなくて優しそうな女性が欲しいだけなのでは」
と、批判が噴出していた。
講演では、男性の声を女声に変換し、あたかも職場女性がいるかのように演出することで「男性エンジニアのやる気問題」を解決できると話していた。機械学習はこの音声変換の精度向上に役立つという。同様の仕組みを用い、男性の声を女声に変換することで女子トークが可能になり、
「これによってエンジニアが抱えるもっとも重要な課題が解決できました」
とも発言していた。
「社内のチェック体制の見直し・徹底、全社員に対する啓発教育を行う」
ヤフーはサイトに掲載した文中で、講演のどの部分が不適切だと判断したのかは明らかにしていないが、
「本表現によって、多くの方に不快な思いをさせてしまったことを、深くお詫び申し上げます。今後は、このようなことが二度と起きぬよう、改めて社内のチェック体制の見直し・徹底、全社員に対する啓発教育などを通じて、再発防止に努めてまいります。改めまして、多くの方に不快な思いをさせてしまったことを、深くお詫び申し上げます」
と謝罪している。発言を巡っては、発言者個人を責める声が多数ある一方で、
「主催者側でどうにかできなかったのかな」
「炎上するまでに、本人・社内・主催者・会場の参加者・Web記事の編集とチェックできるところを全部すり抜けちゃったんだなと思った」
など、イベント主催者をはじめとした関係者の意識を問題視する意見も出ている。イベントの公式サイトには、ヤフーが出した謝罪文と同様のお詫びが掲載されている。