植田直通(撮影:岸本勉/PICSPORT)

写真拡大

31日、西野朗監督はワールドカップに臨むメンバー23人を発表した。21日から始まった合宿からは、浅野拓磨、三竿健斗、井手口陽介の3人が本大会のメンバー外になった。

この外れた3人は、前日のガーナ戦で25番以降が割り振られていた。また、24番の植田直通以降はすべて年齢順に並んでいたため、今回のメンバー選考では若い順番に3人が外されている。

最年少の23歳でメンバー入りした植田だが、これまでずっと複雑な気持ちで日本代表入りしていたのは間違いない。2014年の年末以来、たびたび招集されるのだがずっと出番が来なかった。

今回こそは、と張り切ってトレーニングするものの常にベンチ。初めて起用された2017年12月のE-1選手権では右サイドバック。大敗した韓国戦の後はほんの一言「言い訳はしたくないです」とだけ言い残した。

だが、植田はホッとした初出場の後にこうも語っていた。

「出場できないで我慢していた時間も自分にとってはプラスになったと思います。悔しい思いをしながら見ていた時間が、プラスにつなげられたからこそ今日こうやってプレーできたのだと思います」

ガーナ戦でも植田の出番はなかった。だが植田は漫然と試合を見ていたわけではない。試合後、植田はこう振り返った。

「外の対応に困っていたと思っていました。裏にロングボール一本で深く行かれる場面もありましたし、GKからのロングボール、ファーストコンタクトで競り負けることもあったと思います。自分が出たら、そういう部分で戦っていきたいと思います」

ハードなコンタクトが目立つ植田だが、実は一番の特長はパンチ力のある右足のロングパスだ。このチームで生かせる術もある。

「DFラインから何本か逆サイドまでロングパスが出た場面があったと思うのですが、そのパスをもっと使っていくと有利にゲームが進められたと思うし、そこはチームとして狙いを持ってやっていかなければいけないと思いました」

これまで出番は少なかったものの、ずっと招集されていたことが幸いし、植田にはすっかり風格が身についている。植田は物怖じせず、虎視眈々と出場機会を狙っている。

【日本蹴球合同会社/森雅史】