花川芽衣、西條 和、宮瀬玲奈(左から)

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秋元康氏とSony Music Records、Aniplexの3者のタッグによって生まれたデジタル声優アイドルグループ・22/7(ナナブンノニジュウニ)が、4月11日に2ndシングル「シャンプーの匂いがした」をリリースする。
2016年12月にオーディションを勝ち抜いた11人で結成され、右も左もわからない状態でこの世界に飛び込んだ彼女たちは、声優演技やダンスのレッスン、ファンの前での朗読劇などで研鑽を積み、2017年9月にメジャーデビュー。その3ヶ月後には結成1周年の節目を迎え、以後も数々のイベントや声優アイドルならではの「朗読女王決定戦」を開催するなど、精力的に活動を行ってきた。ミュージックビデオやイベントのMCにモーションキャプチャーを用いて、メンバー本人がそれぞれ担当するキャラクターの動きを演じるなど独自の展開も見せている。

今回TOKYO POP LINEでは、2ndシングルのリリースを目前に控えたメンバーの西條和、花川芽衣、宮瀬玲奈にインタビューを実施。これまでの歩みを振り返りながら、本人たちが感じている変化と成長について語ってもらった。

■デビューシングルリリース後の周囲の反応は?

――まずは昨年9月のメジャーデビューから振り返ってもらいたいと思います。デビューシングルのリリース後、どんな反応がありましたか?

花川芽衣 両親と友達から「CD買ったよ」っていう連絡があって、それがすごく嬉しかったです。今回、2ndシングルを出させていただけることもそれ自体が嬉しくて、またみんなに喜んでいただけるように頑張りたいです。

西條 和 私は周りに言ってなかったので……。

――えっ!地元の友達は西條さんが22/7として活動していることを知らないんですか?

西條 言う人が特にいなかったので、誰にも言わずに上京してきました。でもデビューした後、そこまで仲良くはなかったんですけど、堀口悠紀子さん(※22/7のキャラクターデザインを担当)を好きな同級生が1人いて、その子から「アイドルやってるの?」って連絡が来ました。あまり言いたい気分じゃなかったんですけど……でも嘘はつけないので、「やってなくはない」と答えました(笑)

――すごくふんわりした回答ですね(笑)。宮瀬さんはどうですか?

宮瀬玲奈 実家が福岡なんですけど、両親から「福岡のコンビニで『僕は存在していなかった』が流れてた」っていう連絡がきて、ビックリしました。私自身はそういう場面に遭遇したことがなかったんですけど、実は2週間くらい前に1人でとんこつラーメン屋さんに行った時に、カウンターに座って少し経ったら「僕は存在していなかった」が流れてきたんです! 初めてだったのでドキッとしました。自分の生活の中に入ってくるっていうのがすごい嬉しかったし、不思議な気持ちになりました。

■結成から1年を経て感じた、自分自身やメンバーの変化

――昨年のクリスマス・イブに結成1周年を迎えました。この1年で成長を実感したことはありますか?

花川 オーディションを受ける前までは、他の人がどう思ってるかを一番優先に考えて、自分の気持ちは考えずに生活していたんですけど、22/7に入ってからは自分の気持ちに向き合わないといけない場面が多くなって、自分が今、何を思っているのかを感じとれるようになりました。自分の意見がちゃんと心の中に出てくるようになったので、それをしっかり伝えられるようにするのがこれからの課題です。

――宮瀬さん、西條さんから見て、1年間で花川さんの印象は変わりましたか?

宮瀬 本人の言う通り、結成当時は芽衣ちゃんが何を考えているかわからなかったんですけど、最近は見ていてわかるようになってきた気がします。芽衣ちゃん自身も内面を表に出せるようになってきたのかなって、メンバーとして嬉しく思います。

西條 元々穏やかなお姉さんというイメージだったんですけど、それだけじゃなくて、芽衣ちゃんの中にすごく明確な理想があるんだなって気づきました。それに向かっていつも頑張っている姿を見ていると、私はわりとふわふわしているので(笑)……すごいな、強いなって思います。

――続いて、宮瀬さんは?

宮瀬 これまで体育の授業でしかダンスをやったことがなくて、最初の頃はダンスのレッスンに1回行ったら次の日は筋肉痛になっていたんですけど、今はダンスしても筋肉痛に全然ならなくなって、そういった体力的な面でも変わったなと思います。2ndシングルには新曲が5曲入っているんですけど、1stシングルの時よりもみんなダンスの振り入れが早くなって、成長が目に見えてわかったので、自分でも驚きました。

――花川さんと西條さんは結成当初と比べて宮瀬さんの印象は変わりました?

花川 最初の頃、一番はじめに話しかけてくれて、それがすごい嬉しかったのを覚えています。それからこうして一緒に過ごしていくうちに、いるだけで空気が明るくなるような存在だなと思うようになりました。そういうキラキラした雰囲気を発せられるのは羨ましいなって思います。

西條 人見知りが多い私たちの中で、最初からずっと明るくて……私、個人的に明るい人が怖いところがあったので(笑)、話しかけてくれるんですけど、「あっ、どうしよう」って思ってしまっていました。でも一緒に過ごすうちに「本当にちゃんと明るいんだ」って(笑)。なんていうか……裏表がないというか、誰に対しても本当に優しくて、このまんま明るくて、こんな人いるんだって驚きました(笑)。

――そんな西條さんは自分を変えたくてオーディションを受けたと聞いています。

西條 上京してくるまでは嫌なことに当たらないように生きてきて、それでも生きてこれてしまったので、これじゃダメだなと思ってオーディションを受けて、一番苦手なことをしようと思ってここに来ました。朗読とか歌とか、声を発するという自分が一番苦手なことを毎日するようになって、その分このグループに入る前よりしんどいなって思うことも多いんですけど、これを乗り越えた先に感じられるものとかがあったらいいなと思って、今は朗読や演技も逃げずにやろうと思えるようになりました。

宮瀬 なごみん(西條)はめちゃめちゃ変わった印象があります。それこそ最初はカメラの前でも基本うつむいていて、「一緒に写真撮ろう!」って言うと、ちょっと困ってるような様子で、「あ、困らせちゃったかな」って思うこともあったんですけど、最近は「写真撮ろう」って言うと、「うん」って言って来てくれるので、心を開いてくれているのを感じます。

花川 最初に会った時に「人見知りの仲間だ」って勝手に思ってたんですけど、最近は一緒にいて打ち解けてくれてるような瞬間があって、それは気を許してくれているのかなと思えて、嬉しいです。

■初めての“朗読女王決定戦” 「ちょっとだけ自信に繋がった」(花川)

――2月27日のイベントでは朗読女王決定戦の決勝が行われて、花川さんが見事優勝されました。自信はありましたか?

花川 いや……、最初に朗読女王決定戦の開催が決まった時も「絶対無理」って思いました。まず朗読って人それぞれの良さがあると私は思っていたので、対決するのってどうなのかな?って考えていたんですけど、でも考えていても始まらないので、とにかく自分の良いところをちゃんと出せるように精一杯やろうと思って頑張りました。
聞いてくださる方がどういう気持ちになるかというのをまず最初に考えてから、自分の持ってる声を大事にして、とにかく作品の情景が浮かびやすいように世界観を作るということを意識しました。決勝戦に進んで、クイーンにならせていただいたことにすごくビックリしたんですけど、自分のやり方も1つの正解だったのかなって、ちょっとだけ自信に繋がりました。

――「人それぞれの良さがある」という言葉がありましたが、他のメンバーの朗読を聞いていて、上手いなと感じたり、参考になると思う部分はありますか?

花川 私は声優レッスンの先生に「もうちょっと爆発してほしい」って言われるくらい、ある一定の幅の中に閉じこもっちゃってなかなか抜け出せなくなる癖があって、その点、天城サリーちゃんは予想もつかない演技をしたりするので、すごいなと思います。

西條 朗読女王決定戦の決勝戦が終わったあと、レッスンの先生のところに相談に行って、私と他の2人の違うところは「自信」だって言われたんです。私は自分の声が元々好きじゃなかったので、そういうところも直していかなきゃいけないなと思いました。

宮瀬 本当にみんなそれぞれ違って、尊敬するところがいっぱいあるんですけど、倉岡水巴ちゃんは会話の部分で声を変えられるんです。作品の登場人物を1人1人違う人物にするために、声の高さだけじゃなく、テンポも変えるというのがとても難しいので、それができているメンバーを見るとすごいなって思うし、できるようにならなきゃって思います。

■「見たくなかった」と苦笑する秘蔵ドキュメンタリー映像

――ここまでデビューシングルのリリースから振り返ってもらいましたが、今作の初回仕様限定版Type-Bにはデビューするまでのドキュメンタリーが収録されていますね。ご自身で見てみてどうでしたか?

宮瀬 なんか……本当に見たくなくて(笑)

花川 見たくなかった〜(笑)

宮瀬 オーディションの時の自分ってこんなだったんだって思うと、すごく恥ずかしいです。でも、みんなオーディションの頃よりも人に見られる意識がついたのか、すごい可愛くなってて、「わぁ〜」って思いました(笑)

花川 うん、みんな可愛くなった! 私は60分の映像を通して見て、最初の頃の自分は“作ってる自分”だなって思いました。メンバーとか他人を意識しすぎていて、だんだんそれがなくなってきて、少しの間でこんなに変われるんだってビックリしました。今の自分から見たら最初の頃は自分じゃないみたい(笑)

――60分の映像でも皆さんの変化が見て取れるんですね。西條さんはどうでした?

西條 懐かしい映像がたくさんあったんですけど、自分を見て“心が無い奴だな”って思いました(笑)

――心が無い?(笑)

西條 10年ぶりくらいに泣いたので泣き方がちょっとよくわからなくて……心が無いみたいでした(笑)。そもそも人前で絶対に泣かないようにしていたので、泣いてるところは映っていないはずだったんですよ。でも配役発表のSHOWROOMの時に、前に置いてあったカメラが回ってたみたいで。SHOWROOMが終わってスタッフさんが手持ちで持ってきたカメラの前ではちゃんとコメントしたんですけど、その後、スタッフさんと話している時は(カメラが)回ってると思ってなくて、普通に喋っていて泣いてしまったところが映っています(笑)。

■春らしさが詰まったシングル 3人がこの春やりたいことは?

――4月11日にリリースする2ndシングルはどんな内容になっていますか?

宮瀬 表題曲の「シャンプーの匂いがした」は、伝えることができなかった淡い恋心を歌った曲です。曲調はすごくきれいで華やかな曲調なんですけど、歌詞はちょっぴり切ない、春らしい歌になっています。いろんな解釈が出来ると思うので、聴いた方の感性におまかせして、いろんな楽しみ方をしてもらえる曲かなと思います。
新曲が5曲入っていて、どの曲も雰囲気が全然違うので、お好きな曲を見つけていただいて、たくさん聴いていただけたら嬉しいです。

花川 「シャンプーの匂いがした」は、切ない中にも自分の強い想いが込められている曲で、でも全体的に爽やかで春っぽさがある曲なので、ぜひ聴いて春を感じていただけたら嬉しいです。カップリングも全部大好きな曲なので、皆さんにも全部聴いていただきたいなと思います。

西條 「シャンプーの匂いがした」は淡い恋心を歌っていて、でもカップリングには「叫ぶしかない青春」みたいに葛藤を表した曲だったり、春独特の寂しさやもどかしさを歌った曲もあって、全部テイストは違うんですけど、春を感じられる曲が詰まっていると思うので、聴いていただけたら嬉しいです。

――ミュージックビデオは前作に続き今回も全篇3DCGで、皆さんがモーションキャプチャースーツを着て撮影した動きが反映されていますね。何か前作と変わったことはありましたか?

宮瀬 前回は指の動きまでは感知されていなくて、後からつけてもらった動きだったんですけど、今回は指も感知するようになって、ダンスを撮った後に1人ずつ機械の上で指だけの動きをやって、それが反映されています。この半年くらいの間でも技術が進歩しているので、すごいなって思いました。

――制服も新しくなりましたね。

宮瀬 今回の制服はボタンがたくさん付いていて、すごく可愛いなっていうのが第一印象です。スカートもラップスカートになっているので、普通の制服じゃない感じ。お嬢様学校のような制服で、11人全員並んでいる姿を見ると、「ああ、可愛いな」って見惚れちゃいます。

花川 腕の部分に22/7のワッペンが付いているのもポイントです。

――最後に、春は新生活が始まる季節ということで、何か新しく始めたいと思っていることがあれば教えてください。

花川 心機一転でお部屋の模様替えをしたいなって思っています。今は落ち着く感じの白とグリーン系の部屋なので、白とピンクの可愛い部屋にしてみたいと思ってます。

宮瀬 実は3月上旬にお引っ越しをしたんですけど、私も引っ越しを機に部屋を変えようと思って、布団カバーとかカーテンとか一式変えて、それこそ白とピンクの部屋になりました(笑)。あとは、春なので洋服をいっぱい買いたいです。今は黒が多いんですけど、春らしく白とか、今年はカラフルな色が流行だと聞いたので、色があるものを着ていこうと思っています。

――私服でSHOWROOMの個人配信をされていたりするので、気を遣いますよね。

宮瀬 両親が福岡でちゃんと見てくれていて、「いっつも黒だから、たまには明るい色の服も着たら?」って、お母さんから電話がかかってきます(笑)

――西條さんはこの春何をしたいですか?

西條 春は海に行きたいです。人がいないところに行きたくて……(笑)、お婆ちゃんの家が愛媛県の島にあるんですけど、夏になってしまうと、どこからともなく遊びにきた人たちがたくさんいて、水上バイクに乗っていたりするので、誰もいない春の海に行きたいです。

――ありがとうございました。

3月下旬、22/7は「あの日の彼女たち」と題した初のキャラクターPVを2篇、YouTubeで公開した。短いながらも美しい作画とメンバーが演じるキャラクターの個性が垣間見えるそのアニメーション作品は、ファンからの評価も上々で、すでに発表されているアニメ化への期待を一層募らせた。
プロジェクトは今後どのような展開を見せ、彼女たちの魅力を引き出していくのか。2次元と3次元を行き交いながら独自の道を着実に進む22/7は、まだまだ未知数の可能性を秘めている。


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