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マッチングアプリで知り合った女性と食事。でも、写真とのギャップが凄すぎてーー。ある男性が弁護士ドットコムの法律相談コーナーに、「食事の途中で無断で退席してしまいました」と相談を寄せました。

結果的に食事代は女性が払うことになってしまいました。女性は警察に相談したようで、警察から男性に事情を尋ねる連絡がきたようです。

男性は「最初から逃げようということで会ったのではない」と説明しています。騙そうとした訳ではないようですが、これも罪になってしまうのでしょうか。呉 裕麻弁護士に聞きました。

●最初から食べ逃げが目的だったかどうかがポイント

「女性からすれば、男性は、本当は当初から食事代を負担する気がなく、食べ逃げするつもりだったと受け止め、詐欺の被害にあったと考えることでしょう。だからこそ女性は警察に相談したのでしょうから、その意味で詐欺罪の成否が問題となりえます」

呉弁護士はそう話します。詐欺罪はどのような場合に成立するのでしょうか。

「男性が、本当は食事代を負担するつもりがなかったのに、あたかも負担するかのように女性に告げていた場合には、虚偽の事実を述べて女性に食事代を負担させたことになるので詐欺罪が成立します」

男性は「最初から逃げようということで会ったのではない」と弁明しています。

「当初の時点では食事代をきちんと負担する意思があったけれども、女性の写真と実物のギャップから途中で退席したということのようですね。

その場合、刑法上の詐欺罪ではなく民事上の債務不履行の問題となります。女性から男性に対して食事代の支払いを求めることができるかどうかという民事上の問題になるのです。

もっとも、男性としては写真とのギャップから支払いをする意思を失ったことについてそのことをきちんと女性に告げるべきだったのではないでしょうか」

(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
呉 裕麻(おー・ゆうま)弁護士
1979年東京生まれ。韓国籍。2006年に司法試験合格。岡山合同法律事務所に所属後、2013年に現事務所開設。人権問題、交通事故、男女トラブル、インターネット問題、企業法務等、幅広く活動中。
事務所名:弁護士法人岡山中庄架け橋法律事務所
事務所URL:http://kakehashi-law.com/