第11回「西内まりやはなぜ叩かれるのか 背景にある完璧という落とし穴」
「現状維持とは、緩やかな衰退である」
誰が言ったかわからない名言が世の中にはありますが、逆の意味を考えるなら「成長とは無謀と背伸びの境をさぐり、チャレンジすること」なのかもしれません。
そんな微妙なラインを攻めまくり、今は結果がうまく出ず脱皮の時を迎えているのが、女優でモデルの西内まりやさん(23)だと思います。
13年には「20歳以下でなりたい顔」ナンバーワンにも選ばれ、明るく無邪気な笑顔と身長170cmのスタイルを持ち合わせた彼女。しかし豊かすぎる才能の罪なのか、ここ数年は苦しい立場に立たされています。
16年に主演を務めた実写映画「CUTIE HANEY-TEARS-」もその1つ。「原作と全く異なる」と何度も前情報が流布されていたとはいえ、グラマラスな如月ハニーを知っている世代からはスレンダーな西内まりや版ハニーに対する厳しい声が寄せられました。
はたまた最近女優業と並行して歌手活動にも力を入れている彼女ですが、これも何かとケチがついてしまっているようです。才能豊かな23歳の挑戦が、なぜグーンと伸びきることができないのか。それには、彼女から感じる“薄っぺらい完璧感”があるからかもしれません。
たとえば彼女のInstagramを見てみるとオフィシャルと名がついているからなのか、“完成された写真”しか掲載されていません。幼少期の写真とか、撮影中のオフショットや自撮り写真も見当たらないのです。
Twitterをみても彼女が愚痴や思わせぶり発言をしていることはほぼなく、それどころか定期的にファンに返信するマメさを発揮!いつでも明るく前向きで、ファン思いの西内まりや100%ではないですか。
熱愛の噂こそ出たことはありますが、それすらもスクープ以外に23歳の多感さを一切感じない。それだけ裏側での我慢もスゴそうですが、見方を変えれば彼女自身が「西内まりや」を演じることに必死になっているようにも見えます。
理想を求めて努力することは大切です。しかし人は何者かになる前に、何者かを知ることが必要です。彼女に対する厳しい声の原因には、マルチさ故の妙な完璧さがあるのかもしれません。
今期ドラマが終わり次第、西内さんはアメリカ留学の準備を進めるとも噂されています。理想の西内まりやは、本当にアメリカ留学の先にあるのか。彼女の曲には『BELIVE』と名のついたものがありますが、成長の前にBELIVEはあるのか。奇しくも誕生日に発した抱負は「自分を信じて進みたい」ですが、彼女の進む道に新生西内まりやはいるのか否か。ひっそり彼女の今後を見ながら応援したいと思います。