中国では日本との距離の近さを「一衣帯水」と表現することがあり、日中は実際に海を隔てた隣国同士だが、相互に異なる点も数多く存在する。だが、違うからこそ、それを知ることで互いに学ぶこともできるはずだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国では日本との距離の近さを「一衣帯水」と表現することがあり、日中は実際に海を隔てた隣国同士だが、相互に異なる点も数多く存在する。だが、違うからこそ、それを知ることで互いに学ぶこともできるはずだ。

 中国メディアの網易はこのほど、日本と中国は「天と地ほどの違い」があると主張し、「日中双方の足りないところ」について論じる記事を掲載した。

 記事は、訪日中国人の増加とともに、このごろ中国では政治問題を抜きにした日本への理解が深まってきたと紹介。同時に、日本人作者による「中国には何が足りない?日本には何が足りない?」という本を読んで、日中両国にはそれぞれ足りないところがあると悟ったという。

 まず、中国に足りないものとして「質の高いサービス」を挙げた。「中国国内の高級ホテルも日本のファストフード店のアルバイトスタッフのサービスにはかなわない」ほどで、中国に帰ると不満がたまるという。一方の日本は「責任感」が足りないと主張。企業は細かい間違いや顧客からのクレームを恐れて新製品の企画がなかなか進まず、結局は却下されたり、上司は責任を部下に押し付け、部下は耐えきれずに退職したりと、いずれも「責任逃れ」という名の「日本病」が見られ、企業にとってマイナスだと指摘した。

 次いで中国に足りないものとして指摘したのは「団結力」だ。中国人にとって「同僚は戦友ではなく敵、または赤の他人」だという。これは、競争社会の激しい中国では子供のころから「他人を蹴落とす」教育を受けているからだと分析、企業が社員をつなぎとめるのは給料アップしかない、という中国の厳しい現実を嘆いた。

 最後に日本に足りないものとして挙げたのは「若い力」だ。生活の安定した勤勉な日本の高齢者は、給与を気にせず進んで働くため、若者の仕事を奪っているのではないかとの懸念を示した。日本と中国にはそれぞれ違いがあるのは当然だが、記事は、日中が互いに補い合い、「日中経済共同体が誕生するのを見たい」と締めくくった。日本も中国に学べる点が少なからずありそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)