盗用疑惑の発覚によって白紙撤回となっていた2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピックのエンブレムが25日に決定した。エンブレムのみならず、主会場となる新国立競技場のデザイン案でも白紙撤回となるなど、東京五輪をめぐっては迷走が長らく続いた。(イメージ写真提供:(C)boroda/123RF.COM)

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 盗用疑惑の発覚によって白紙撤回となっていた2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピックのエンブレムが25日に決定した。エンブレムのみならず、主会場となる新国立競技場のデザイン案でも白紙撤回となるなど、東京五輪をめぐっては迷走が長らく続いた。

 中国メディアの騰訊はこのほど、東京五輪の開催に向けた準備で「不可思議な事件が相次いで起きている」と指摘したうえで、日本は果たして本当に東京五輪を開催できるのかと論じる記事を掲載した。迷走に次ぐ迷走に対し、日本の調整力や開催能力に対して疑問を投げかけた形だ。

 記事はまず、東京五輪のエンブレムが白紙撤回となった経緯について、事細かく紹介。さらに今回決定した市松模様の「作品A」についても数多くの疑問が指摘されているとしたうえで、「作品A」は日本のネット上でも、もっとも人気のなかった案だと指摘。

 また、エンブレム発表会で「作品A」と発表される前に、すでにテレビでは「作品A」が決定したことが報じられていたことも疑問をさらに深める結果となったが、こうした一連の経緯に日本のネット上では不満と失望が広まったと論じた。

 続けて記事は、五輪は少なくとも東アジアにおいては「政治の道具」であると主張。五輪開催は開発途上国から先進国の仲間入りを果たした象徴とみなされるとし、1964年の東京五輪のほか、ソウル五輪、北京五輪も同じ動機によるものだと主張。2020年の東京五輪についても「日本が招致に取り組んだのも、中国と張り合う気持ちがあったため」と主張、コンパクトな五輪にするというスローガンを掲げていながら、実際は世界に日本の実力を見せつけたかっただけではないかと主張した。

 東京五輪の招致に関する動機についてはさておき、エンブレムや新国立競技場のデザインを決定するまでの長い迷走は「世界に恥を晒した」との見方をする人も多い。果たして本当に無事に五輪を開催できるのかと、記事が疑問視するのも致し方ない状況かも知れない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)boroda/123RF.COM)