西武鉄道が2018年度に導入する新型特急車両のイメージ。日立製作所で製造(画像出典:西武鉄道)。

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西武鉄道が四半世紀ぶりに新型特急車両を導入。デザインするのは“建築界のノーベル賞”受賞歴もある建築家で、「風景に溶け込む特急」などが目指されます。

「金沢21世紀美術館」「ルーヴル=ランス」などを手がけた建築家

 東京都の池袋、新宿と埼玉県の秩父、川越方面とのあいだで特急列車を運行する西武鉄道は2016年3月14日(月)、2018年度に新型特急車両を導入すると発表しました。1993(平成5)年に登場した10000系電車「ニューレッドアロー」以来、西武鉄道25年ぶりの新型特急車両になります。

 外観と内観のデザインを担当するのは、「金沢21世紀美術館」やフランス「ルーヴル美術館・ランス分館『ルーヴル=ランス』」を手がけ、“建築界のノーベル賞”ともいわれる「プリツカー賞」の受賞経験を持つ建築家の妹島和世(せじまかずよ)さん。鉄道車両のデザインを担当するのは、今回が初といいます。

 デザインのコンセプトは「都市や自然の中でやわらかく風景に溶け込む特急」「みんながくつろげるリビングのような特急」「新しい価値を創造し、ただの移動手段ではなく、目的地となる特急」です。

「『いままでに見たことのない新しい特急車両を』ということでお話をいただきました。特急のデザインはもちろん初めてですが、建築と一番違うのはいろいろな場所を走ることが出来ることだと思います。秩父の山の中や都心の街の中と、いろいろな風景の中を走る特急が、やわらかくその風景と共にあるようになれたら良いなと思いました」(妹島和世さん)

 西武鉄道によると、新型車両は8両編成7本の合計56両を導入予定とのこと。「車両の姿を見るだけでも楽しくなるような新型特急車両をお客さまに提供します」としています。