「ドルトムント、掘り出し物だった『お買い得』ベストイレブン」

写真拡大

今週末にはブンデスリーガの大一番、ボルシア・ドルトムント対バイエルン・ミュンヘンの大一番が控えている。

それを前に、『Squawka』が伝えていた「ドルトムントが1000万ポンド(16億円)以下で獲得した選手ベストイレブン」を紹介してみたい。なお、移籍金の換算は全て現行レートによるもの。

GK ロマン・ヴァイデンフェラー/移籍金なし/前所属:カイザースラウテルン

1997年のU-17W杯でベストGKになったこともあるヴァイデンフェラーだが、カイザースラウテルンではわずか2試合の出場。2002年にフリーでドルトムントにやって来た。

その後、この190cmのショットストッパーは300試合以上に出場し、2013年11月にはイングランド代表戦でついにドイツ代表にもデビューを果たした。そして、2014年W杯を制したドイツ代表の優勝メンバーともなった。

当初はイェンス・レーマンの控えであったが、2009年以降はブンデスリーガでも最も一貫性を見せているGKのひとりといえる(今季はロマン・ビュルキが正GK)。

WB ケヴィン・グロスクロイツ/移籍金なし/前所属:RWアーレン

もとはドルトムントにある別のクラブでキャリアを始めたグロスクロイツ。RWアーレンで1シーズンを過ごした後、2002年にドルトムントのユース入り。その後、戻ったRWアーレンでデビューすると、2009年に再びドルトムントへ移籍。

バーサタイルな選手として重宝され、170試合以上に出場し23ゴールをマーク。今季ガラタサライへと移籍したが登録の問題もあり、1月にシュトゥットガルトへ移った。

CB マッツ・フメルス/移籍金315万ポンド(5億円)/前所属:バイエルン・ミュンヘン

もとはバイエルンのユース育ちのフメルスは2008年1月にドルトムントにローンされると、翌年2月に完全移籍した。

いまやヨーロッパでも最高評価を得るDFのひとりになったことを考えれば、315万ポンドという額は近年のフットボール史上最高(にお買い得な)契約のひとつといえる。

このたくましいCBは、ドルトムントで170試合以上に出場。プレミアリーグのメガクラブから狙われていると常に噂されている。

CB ネヴェン・スボティッチ/移籍金338万ポンド(5.4億円)/前所属:マインツ

(※彼については詳しく触れられていないので、当サイトの独自情報で補足)

Neven Subotić のプレースタイル等

実はアメリカ育ちの、セルビア代表巨漢DF。

圧倒的な空中戦の強さ、ポジショニングの良さ、こぼれ球への素早い対応を武器に20代前半にしてブンデスを代表するCBへと成長。課題であった足元も着実に向上し、“フィードが出せる・つなげる選手”としても覚醒。ドイツを越えて、欧州の列強から注目される存在となった。

2007-08シーズンに2部マインツで好パフォーマンスを見せ、翌シーズンにドルトムントに移籍。クロップ監督の信頼を勝ち取り、直ぐにレギュラーの座を奪取。マッツ・フメルスと強固なDFを築き上げたが、最近は出場機会が減少。契約は2018年までだが、プレミアリーグへの移籍も噂されている。

LB デデ/移籍金213万ポンド(3.7億円)/前所属:アトレチコ・ミネイロ

1998-99シーズンにドルトムント入りしたこのブラジル人レフティは当時20歳だった。1998年の8月14日にブンデスデビューすると、その後300試合以上に出場。

左サイドで懸命にボールを運ぶ存在と知られたデデ。オーバーラップにおける天賦の才を持ち、在籍中に12ゴールを決めた。2011年にトルコのエスキシェヒルスポルへ移籍し、2014年に現役から引退した。

(編集部メモ:昨年にジグナル・イドゥナ・パルクで行われたお別れ引退試合には8万人ものサポーターが駆けつけたことからも分かる通り敬愛される存在だった。2007年にはドイツ国籍も取得している)

DH スヴェン・ベンダー/移籍金105万ポンド(1.6億円)/前所属:1860ミュンヘン

1860ミュンヘンでの成功した3シーズンを過ごした後、2009年にドルトムント入りしたベンダー弟。以後、チームでも最も才能ある選手のひとりとなった。

140試合以上に出場し、中盤センターのキーパートになっている。イルカイ・ギュンドーアンとの極めて重要な関係性は、2010~12シーズンのブンデス連覇における原動力のひとつであった。

CH セバスティアン・ケール/移籍金224万ポンド(3.5億円)/前所属:フライブルク

300万ポンド以下のコストしか掛からなかったが、ケールはドルトムントで250試合以上に出場し、6つの主要タイトルを手にした。

ハノーファーからフライブルクへ移籍したのが2000年夏。そこで40試合に出場すると、2002年1月にドルトムント入りした。ドイツ代表としても31試合に出場し、2度のW杯も経験した。

(編集部メモ:イェンス・イェレミースの後釜を探していたバイエルン・ミュンヘンへの移籍寸前とされていたが、土壇場でドルトムントに変更。大きな波紋を読んだ。)

CH イルカイ・ギュンドーアン/移籍金385万ポンド(6.1億円)/前所属:ニュルンベルク

2011年に4年契約でドルトムント入りしたギュンドーアン。その後、世界でも屈指のMFのひとりへと成長を遂げた。

スヴェン・ベンダーと素晴らしい協力関係は近年のドルトムントの成功を牽引するものとなった。ユルゲン・クロップが当時彼に費やした移籍金は、今では10倍になったと見込まれている。

CH ユリアン・ヴァイグル/移籍金175万ポンド(2.7億円)/前所属:1860ミュンヘン

昨季当時19歳だったヴァイグルのパフォーマンスをドルトムントは高く評価。昨夏、200万ポンド以下で彼を引き抜いた。

将来のトップチームメンバーだとは思われていたが、当初の予想以上の試合で先発起用。それどころか、彼のアイドルであるスヴェン・ベンダーをベンチへ追いやっているほどだ。

FW ロベルト・レヴァンドフスキ/移籍金333万ポンド(5.3億円)/前所属:レフ・ポズナニ

2009-10シーズン、エクストラクラサ(ポーランド1部)を制したレフ・ポズナニで18ゴールを叩き出し、得点王になったレヴァンドフスキ。2010年夏、ドルトムントは彼を400万ポンドに満たない額で獲得した。

ユルゲン・クロップのもと、レヴァンドフスキは131試合で74ゴールを記録し、ブンデス連覇にも貢献。2014年、バイエルン・ミュンヘンへフリーで移籍していった(BVB入り当初は苦しみ、ミスまとめ動画が作られるほどだったが…)。

FW エヴェルトン/移籍金497万ポンド(7.9億円)/前所属:コリンチャンス

この快足ブラジル人アタッカーはドルトムントで非常に成功した。4シーズンで156試合に出場し、印象的な59ゴールをマーク。

2002年にはクラブ史上6度目となるブンデスリーガ制覇に貢献し、ドルトムントでの活躍もありブラジル代表でも7キャップを記録。

2005年にレアル・サラゴサへと旅立った(34歳となった今も現役のようで、ブラジル下部のアトレチコ・ソロカバでプレーしている)。

この11人の移籍金合計額、2559万ポンド(40.9億円)。

さて、日本人なら当然入っていると思っていた、あの人の名前がない…。

そう、香川真司だ。彼は「ドルトムントお買い得ベストイレブン」の“サブ”としてピックアップされていた。7人のサブメンバーは以下の面子。

GK イェンス・レーマン(280万ポンド≒4.4億円)
DF ユルゲン・コーラー(182万ポンド≒2.9億円)
SB ヨルク・ハインリッヒ(287万ポンド≒4.5億円)
MF ポール・ランバート(移籍金なし)
MF 香川真司(560万ポンド≒8.9億円)
MF クバことヤクブ・ブワシュチコフスキ (214万ポンド≒3.4億円)
FW モハメド・ジダン(196万ポンド≒3.1億円)

なお、香川については、マンチェスター・ユナイテッドから獲得した際の2度目の移籍金。2010年にセレッソ大阪から最初に加わった際は、35万ユーロ(4319万円)の育成補償金が支払われている。