中国メディア・騰訊網は5日、世界のスマートフォン市場低迷の影響を受けて業績が悪化している韓国・サムスンの携帯電話事業が、これまで重視してこなかった日本市場に目を向け始めたとする国外メディアの報道を伝えた。(イメージ写真提供:(C)  mikewaters/123RF.COM)

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 中国メディア・騰訊網は5日、世界のスマートフォン市場低迷の影響を受けて業績が悪化している韓国・サムスンの携帯電話事業が、これまで重視してこなかった日本市場に目を向け始めたとする国外メディアの報道を伝えた。

 記事は、これまで中国やインドなどの新興国市場で急成長を実現する一方、日本市場に力を入れてこなかった同社の状況が変化しつつあると紹介。世界的な携帯電話ニーズの低迷に伴って、携帯電話事業の営業利益が2010年以降で初めて半導体事業を下回る苦境に立たされた同社が突然日本市場を「非常に重要な市場」と注目しはじめたとした。

 同社では今年(15年)日本における協力パートナーを倍以上に増やし、バイオ関連企業や自動車メーカーなどにモバイル設備や部品を提供しようとしていると伝えた。一方で、IT専門調査会社IDCのアナリストからは「サムスンの日本における販売数や成長の潜在力は小さく」との声が出ていることを紹介した。

 記事は併せて、東京の家電量販店ではiPhoneシリーズやシャープ、ソニーのスマートフォンが目立つ位置にディスプレイされる一方で、サムスンや同社のスマホであるGalaxyシリーズは隅に追いやられる、という現状を紹介。日本において「2020年にはアンドロイド陣営の主要メーカーになる」という同社の目標が達成困難であるとする専門家の意見を伝えている。

 急速な普及によって飽和状態になりつつある先進国のスマートフォン産業で悪化した業績を、さらに激しい飽和状態であるうえに、これまで確固たる地盤を築いてこなかった日本市場に積極的に進出することで回復を期すというのは、いかにサムスンの携帯電話事業が苦しんでいるかを伺わせるものと言えるだろう。「アップル信者」が多いうえ、日本メーカー間における競争も激しい日本のスマートフォン市場でサムスンがシェアを伸ばすのは、相当な至難の業のように思える。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)  mikewaters/123RF.COM)