「食料自給」はどれほど重要な概念なのか。元農水官僚で、東京大学大学院の鈴木宣弘教授は「2008年の食料危機では、コメを主食とする中米ハイチで餓死者が出るほど深刻な被害が出た。これはアメリカの主導する貿易自由化によって起きた『人災』だった」という――。(第2回)※本稿は、鈴木宣弘『食の戦争』(文春新書)の一部を再編集したものです。写真=AFP/時事通信フォト2010年1月17日、ハイチの首都ポルトープランスで、食