スマホやPCの画面の「キレイ」のヒミツ 解像度が高くなると何故キレイになるの?

写真拡大 (全3枚)

今、パソコンやスマホの世界で一番の課題となっているのがディスプレイだ。
ブラウン管のCRTから液晶ディスプレイに進化こそしているが、さらに高精細な表示能力や既存のパネル式ディスプレイでの限界が指摘されている。

こうした背景から、網膜ディスプレイや高精細ディスプレイなどと呼ばれている高解像度の波が押し寄せてきている。

スマホをみても、フルHD(1920×1080ドット)を搭載する機種や、サムスンのGALAXY Note Edgeのように2560×(1440+160)ドットなどという変則的な解像度の製品まで登場してきている。


変則的な解像度を持つサムスンのGALAXY Note Edge


一方テレビなどでは、2020年のオリンピックまでに普及をすすめようとしているフルHDを(1920×2)×(1080×2)にした4Kは、3840×2160ドット、8Kは4Kを(3840×2)×(2160×2)にした7180×4320のサイズにもなる。

まだ対応コンテンツが存在していないが、5年後には登場しそうなので、今からテレビ貯金などをしておくといいだろう。

さて、私たちが普段何気なく使っているこのディスプレイについて、皆さんは、どの程度理解しているだろうか。

たとえばパソコンの世界では、古くはアスペクト比4:3の解像度が使われてきた。
320×160ドット(QVGA)
640×480ドット(VGA)
1024×768ドット(XGA)
1280×1024ドット(SXGA)
1600×1200ドット(UXGA)

現在は、アスペクト比が16:9や16:10が主流となってきている。
1366×768ドット(FWXGA)
1440×900ドット(WXGA+)
1920×1080ドット(フルHD)
1920×1200ドット(WUXGA)

フルHDを凌駕する解像度としては、アップルのMacbookシリーズでRetinaモデルと呼ばれるのは2560×1600ドット(WQXGA)や2880×1800ドット(QWXGA+)、東芝のdynabook KIRAの2560×1440ドット(WQHD)、マイクロソフトの大人気タブレットSurface Pro 3の2160×1440ドット(QHD)といった解像度まである。

Androidスマホなどでは、こうなる。
1280×720ドット(HD)
1920×1080(フルHD)
2560×(1440+160)

人気のiPhoneシリーズは、こうなる
iPhone 3GSで480×320ドット(HVGA)
iPhone 4と4Sで960×640ドット(FWVGA++)
iPhone 5シリーズで1136×640ドット
iPhone 6では1334×750ドット
iPhone 6 Plusで1920×1080ドット

■数字が大きければ良いは、正しい
PCやスマホの解像度を紹介したが「だから何?」という人が多いだろう。
なんとなく「数字の数が大きいほうが良い?」と思う人がいたら、ズバリ、大正解だ。

たとえば、
1024×768ドットは、「横のドット数が1204個、縦のドット数が768ドットのかたまりで画面を表しますよ」(ドットをピクセルに置き換えても可)という意味になる。

全部で画面上に表示できる点(ドット)の数は、
1024×768=786432

で、786432個のドットを使って画面を表示していることになる。
ドットの数が増えると、より細かい部分まで表示できるようになる。

同じ4.7インチのスマホでも1280×720(921600)ドットより1334×750(1000500)ドットのほうが、より高精細に見えるというわけだ。

より高精細になるということをわかりやすく説明するために、320ピクセル×320ピクセルサイズの大きさで、20×20ドット、30×30ドット、40×40ドット、50×50ドットのドット絵を作成してみた。


20×20から50×50までの解像度の違い。


20×20は400ドットで表現するため、判別できない画像になってしまっているが、これが50×50ドットに行くにつれて、どういった画像なのかがはっきりと判別できるようになる。

要するに「点(ドット)の数が多いほど、きれいなディスプレイになる」ということ。スマホやPCのスペック表を見たときに、この違いを覚えておくといいだろう。


小川夏樹(ITライフハック副編集長)