薄さ4.85mmの世界最薄スマートフォン「OPPO R5」を国内最速で写真と動画で詳しく紹介【レビュー】

サプライズとして発表された世界最薄スマホ「OPPO R5」

既報通り、中国・東莞市に本社を置くGuangdong OPPO Mobile Telecommunications(広東欧珀移動通信、以下、OPPO)は29日(現地時間)、シンガポールと中国・北京で同時に開催されたプレスカンファレンスで「OPPO N3」と「OPPOR5」を発表した。

プレスカンファレンスの開催に先立ってティザー画像などではOPPO N3を発表することは匂わせていたが、OPPO R5の発表はサプライズとなった。すでにプレスカンファレンスも模様はレポートしたが、今回はこのOPPO R5をより詳しく写真と動画で紹介していく。

◯スタイリッシュさを特徴としたOPPO Rシリーズ
これまで「OPPO Find」シリーズや「OPPO N」シリーズは日本国内でもスマートフォンなどのガジェットが好きな人には比較的よく知られていると思われるが、「OPPO R」シリーズはあまり知られていないかもしれない。それもそのはず、OPPO Rシリーズのスマートフォンが海外からメディアを呼んだプレスカンファレンスで発表されるのはOPPO R5が初めてなのである。従来の「OPPO R1」などの発表会は完全に中国向けとなっており、世界でOPPO Rシリーズが認知される機会は少なかった。

OPPO Rシリーズは約7.1mmのOPPO R1が最初に投入されたが、実はこれの売れ行きが好調だったのである。薄型でスタイリッシュなミッドレンジのスマートフォンとして人気を集めた。その人気に乗じてOPPO R1の派生モデルとして性能を強化した「OPPO R1k」や「OPPO R1S」、「OPPO R1L」が投入され、さらにはOPPO R1の後継としては約6.3mmに薄型化された「OPPO R3」も投入された。そして、今回はOPPO R3の後継として大幅な薄型化に成功したOPPO R5が発表されたのである。

◯サプライズは世界最薄スマートフォン
OPPO N3の発表が終了してプレスカンファレンス自体も終了と思われたところ、もう1つの戦略スマートフォンとしてOPPO R5が発表されたのである。OPPO R5は世界最薄スマートフォンとして登場した。発表時には会場がどよめいたのは言うまでもない。「The World’s Thinnest Smartphone.(世界で最も薄いスマートフォン)」、それは決してハイエンドのフラッグシップではないものの、インパクトはフラッグシップのOPPO N3以上に大きかった。

OPPO R5はOPPO R1とその派生モデルの約7.1mm、OPPO R3の約6.3mmから大幅に薄くなり約4.85mmとして5mm未満の壁を世界で初めて突破した。まさに「サプライズ」としての登場である。


OPPO R5はThe World’s Thinnest Smartphoneとして発表された。



筐体は驚異的な厚さ約4.85mmを実現した。



1円玉と比べてみたが、いかにOPPO R5が薄いか分かるだろう。世界最薄なので当然ではあるが、これまでにない究極の薄さを感じた。


◯世界最薄でも魅力は薄さだけではない
OPPO R5は世界最薄スマートフォンであるが、世界最薄だけで満足するのではなく、ミッドレンジなりにバランスの取れたスペックに設計されている。発表会ではCPUおよびディスプレイ、カメラ、電池をOPPO R5のアピールポイントとして挙げていた。


OPPO R5のアピールポイントをCPU、ディスプレイ、カメラ、電池とした。


チップセットは64bit対応のQualcomm製「Snapdargon 615(MSM8939)」を搭載し、CPUはオクタコアとなっている。オクタコアといってもハイパフォーマンスなクアッドコアとパフォーマンスを抑えて省エネなクアッドコアで構成されており、シーンに応じて使い分けることで高いパフォーマンスと省エネの両立を実現する。

ディスプレイはサイズが約5.2インチで解像度がフルHD(1080×1920ドット)のAMOLED(有機EL)である。OPPOのスマートフォンでAMOLEDを採用するのはOPPO R5が初となる。OPPO R5で採用されたAMOLEDは高輝度、外光下での高視認性、低反射率、高演色、高コントラスト比を特徴としているという。また、AMOLEDは構造上の特徴から薄型化に有利であることや省エネにも効果的とのことである。


OPPOのスマートフォンとしては初めてAMOLEDを採用したが、AMOLEDの長所を紹介している。


カメラは背面に約1300万画素の積層型CMOSイメージセンサーを搭載する。センサーはSony製「IMX214」で、低照度環境下における撮影性能も強化されている。OPPO RシリーズはOPPO R1から低照度環境下に強いカメラを特徴の1つとしていたが、OPPO R5でもそれは健在である。

そして、フロントにはOPPO Find 7およびOPPO Find 7aと同じく約500万画素と高画素なカメラを備える。自分撮り(Selfie)に特化したOPPO Nシリーズには及ばないものの、画角83度の広角撮影に対応したカメラでBeautifyモードを備えるなどSelfieを楽しめるように設計している。OPPOが得意とする市場はSelfieが流行っている地域が多いということもあり、このような点は一切手を抜いていない。


背面のカメラは左上に備えており、カメラ用にLEDフラッシュも搭載する。


電池パックは2000mAhのリチウムポリマー電池を内蔵している。2000mAhは今どきのスマートフォンとしては明らかに少ない。OPPO R1シリーズの2410mAh、OPPO R3の2420mAhからも減少している。これで電池を特徴とすることに違和感を覚えるのは仕方がないし、薄型化の弊害と思われても仕方がないだろう。

それでも電池を特徴としたことには理由がある。VOOC mini Rapid Chargeに対応したのである。簡単に言うと日本国内向け機種に導入されている「急速充電」のOPPO独自開発版である。30分で0%から75%に充電できる。45分あれば満充電できることになる。

この充電速度についてはOPPO Find 7やOPPO Find 7で採用されたVOOC Rapid Chargeと変わらないが、VOOC mini Rapid Chargeにはminiが付いている。このminiは充電器のサイズを表しており、VOOC Rapid Chargeの充電器であるVOOC mini Rapid Chargerは大型であったものの、VOOC mini Rapid Chargerは大幅に小型化された。なお、VOOC mini Rapid Chargerは専用の充電器となるが、標準セットに同梱される。充電速度の高速化だけでは不安に感じる電池容量であることは確かであるが、省エネに有効なチップセットやディスプレイを選択したため心配の必要はないとのことである。


30分で75%まで充電できることをアピールしている。


その他の基本的なスペックにも触れておくと、OSにはAndroid 4.4.4(開発コード名:KitKat)をベースとした「ColorOS 2.0(v2.0.1i)」を採用している。ColorOSの特徴でもあるジェスチャ機能を利用できる。通信方式は国際版がFDD-LTEおよびW-CDMA、GSM方式に対応し、中国版がFDD-LTEおよびTD-LTE、W-CDMA、TD-SCDMA、GSM方式に対応する。LTE UE Category 4に対応しており、通信速度は受信時最大150Mbpsおよび送信時最大50Mbpsとなる。IEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LAN(Wi-Fi)やBluetooth 4.0にも対応している。システムメモリー(RAM9の容量は2GB、内蔵ストレージの容量は16GBである。価格は国際版が499米ドル、中国版が2999人民元に設定されており(日本円ではおよそ56,000〜57,000円)、ミッドレンジとしては少し高めな印象を受ける。


OSにはAndroid 4.4.4 (KitKat)をベースとしたColorOS v2.0.1iを採用している。国際版は型番が「OPPO R8106」となる。



システムメモリーの容量は2GB、内蔵ストレージの容量は16GBで、初期状態で約11GBが利用可能となっていた。


◯強度や発熱の問題にも対処
薄型のスマートフォンと言えば、強度や発熱が課題である。スマートフォンが曲がってしまったと話題になることもしばしばあるが、OPPO R5は筐体の素材にアルミニウム合金を採用して強度を保っている。3D溶接や物理蒸着処理も導入しており、薄型ながら強度や耐摩性に優れた筐体に仕上げられている。

また、筐体には「Micro-Arc Frame」と呼ばれる機構を採用しており、側面が弧を描いた形状となっている。手にフィットしやすい形状を追求した結果、Micro-Arc Frameを採用して持ちやすさを向上している。薄型のスマートフォンでは放熱も課題というが、金属素材や樹脂素材を組み合わせることで効率よく放熱および吸熱が可能で、これを独自の冷却技術としている。


表面には物理蒸着処理を施しており、耐摩性に優れた筐体としている。



Micro-Arc Frameを採用することで持ちやすさを向上している。



実機を見てもMicro-Arcという名の通り側面がわずかに弧を描いていることが分かる。



OPPO R5は放熱や吸熱に優れた素材を採用しており、効率的にスマートフォンの冷却が可能であることをアピールしていた。


◯OPPO Rシリーズを世界へ
世界的に見てもハイエンドのスマートフォンが主流の市場は少なく、特にOPPOが得意とする市場にそのような市場はない。OPPOは中国のみならず東南アジアなどでもシェアを伸ばしているが、OPPO Rシリーズなどのミッドレンジやその他のローエンドのスマートフォンの販売台数増加がシェアの増加に貢献している。OPPOとしてもハイエンドのスマートフォンだけでシェアを確保することは難しいと認識しており、そこで好調なOPPO Rシリーズのグローバル展開に着手したのである。

これまでに投入されたOPPO Rシリーズも中国以外で販売されているが、それらは一部の地域で販売されるに留まっていた。OPPO FindシリーズやOPPO NシリーズのハイエンドのようにOPPOが提携するグローバル向けオンライン販売サイトなどでは取り扱われず、OPPOが現地法人を設立して参入している地域でも取り扱いが限定されていた。

ところが、OPPOはこれまでよりOPPO Rシリーズで好感触を得ていたため、OPPO R5をOPPO FindシリーズやOPPO Nシリーズのハイエンドと同様にグローバルで展開することに決定した。OPPO Findシリーズ、OPPO Nシリーズ、OPPO RシリーズをOPPOの3本柱とすることも表明した。

OPPOではOPPO R5を大きな挑戦としている。この挑戦という意味合いにはもちろん世界最薄への挑戦も含まれているが、世界への挑戦でもある。OPPOのグローバル戦略はアフリカなどにも拡大する方針を発表しており、特に新興市場におけるマーケティングを強化するという。新興市場ではハイエンドよりもミッドレンジ以下が主流であり、多くのメーカーが星の数ほどスマートフォンを投入しているが、そんな中でOPPO R5は十分に存在感を示せるはずである。オフラインの実店舗では注目のスマートフォンを見に来た客が近くに置かれているローエンドのスマートフォンを購入するケースも少なくないとのことで、時にはOPPO R5が集客の役割を果たすこともあるだろう。OPPOがグローバル戦略を進める中でOPPO R5が重要な存在となることは間違いなく、今後のOPPOの挑戦は要注目である。


グローバル向けのスマートフォンであり、多くのシステム言語を内蔵している。日本語もプリインストールのシステム言語に含まれている。



Goldの側面。カラーバリエーションはSilverとGoldの2色が用意されており、側面のフレームの色が異なっている。金色を取り入れたスマートフォンは世界的に増えており、実際に人気のカラーという。



Silverの側面。カメラ部は少し隆起していることが分かる。



背面は質感が高く仕上げられており、手触りも良い。ツートンカラーでスタイリッシュなデザインとなっている。



プレスカンファレンスではOPPO Rシリーズのコーナーが設けられ、歴代のOPPO Rシリーズのスマートフォンが展示された。他に、OPPO FindシリーズとOPPO Nシリーズも展示されていた。この3シリーズがOPPOの主力シリーズとなる。




記事執筆:田村和輝


■関連リンク
エスマックス(S-MAX)
エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
S-MAX - Facebookページ
blog of mobile
R5 - OPPO