買うなら今? 一括0円キャッシュバック付きiPhone5s/5cでタタキ売りが始まった!
iPhone6/6 Plus発売の陰で、旧モデルのiPhone5sが「MNP一括0円」となっている。つまり、乗り換えなら端末代がタダなのだ! 4sや5からの買い替えを検討中なら、この大チャンスに乗っかるのもアリ?
■「5sを売れ」の大号令がかかった
9月9日に発表されて、19日から発売された、iPhone6/6 Plus。世間の興味がこの最新機種に集まるなか、旧モデルとなったiPhone5sと5cのタタキ売りが始まっていた。
ケータイの販売方法を詳しく知るフリーライターの後藤一泰氏が語る。
「iPhoneがモデルチェンジすると、従来モデルが在庫処分のためにタタキ売りされる現象は、これまで何度も繰り返されてきました。そのなかには『機種変一括0円』、つまり今使っているケータイやスマホを持っていけば、キャリアを変えずにタダでiPhoneに交換してもらえるというオイシイ話もありました。
これは極端な例としても、5s登場時は5がMNP(モバイルナンバーポータビリテイ)で『一括0円』、条件次第ではキャッシュバック(以下、CB)まで上乗せされてバラまかれました」
早速、取材班はiPhone5s販売状況を確かめるべく、都内の量販店に足を運んだ。各キャリアの6/6 Plusの受付カウンターを横目に、キャリアのコスチュームに身を包んだ店員を捕まえて「5sの価格」を聞いてみた。まずソフトバンクはどうか?
「MNPであれば、本体を一括0円でご提供できますよ。2台以上であれば、もう少し何かをおつけできるかもしれません」(ソフトバンクコーナースタッフ)
やはりタタキ売りは始まっていた。続いてauだ。
「MNP一括0円です。2台なら、1台当たり1万円、3台なら1台当たり2万円の商品券がつきます! 他社よりお得ですよ!」(auコーナースタッフ)
ちなみに両社とも、必要なオプションはパケット定額、そして無料期間に解約可能なキャリアオプションだけという。これはおトクかも。では、ドコモはどうだろう?
「MNPでは税込み本体価格7万2576円から月々3024円が割り引かれ、24ヵ月で“実質0円”になります」(ドコモコーナースタッフ)
え? それって通常どおりの価格じゃ……? 他社は「一括0円」だったけど?
「はい、いつもどおりです。本社のエラい人が何を考えているのかわかりませんが、今のところこうなんです。この後どうなるか、ちょっとわかりませんね(苦笑)。あ、5cならMNP一括2万円くらいで出せますが、どうですか?」(スタッフ)
このように、“タタキ売り度”ではソフトバンクとauが横並び、ドコモは一歩引いている状況だ。しかし、なぜこのような差が出てくるのだろう?
その種明かしをしてくれたのは、主にauの販売戦略をよく知る某ケータイショップの幹部A氏だ。
「auでは、9月12日の6/6Plus予約受付を前に、上層部から『販売奨励金をドンとつけるから、5sを売れ』という大号令がかかったようです。しかも、6/6 Plusはどれだけ売っても実績として評価せず、5sの新規とMNPを重視するとか。ソフトバンクも似たようなものでしょう。どちらも5sの在庫処分に加え、今年度から四半期ごとに変更された携帯電話契約数の発表が9月にあるため、6/6 Plusの数字に5sを上乗せして、勢いを見せたいんだと思います。いまだに値下げしないドコモは、何か策を練っているんでしょうね」
■さらなるCB増は期待できない?
一方、CB販売に積極的な併売店の状況はどうだろう? 取材班は、併売店が特売の告知に用いることが多いツイッターにアクセスし、「#MNP #iPhone5s」などのハッシュタグを使い検索した。すると出るわ出るわ。「MNP一括0円」は当たり前、さらにCBを1台当たり2万円、3万円と乗せているお店も珍しくない。5sを狙うなら、量販店よりこっちがトク? でも何か落とし穴はないのだろうか?
「MNPで1万円程度のCBなら、販売奨励金が原資ということが考えられます。しかし3万円以上となると、複数の有料コンテンツの契約が必須になる可能性があるので、注意が必要です。目先の高額CBにひかれて契約しても、条件が『有料コンテンツ10個、3ヵ月継続』などであれば、CBが吹っ飛んでしまいかねない……。CB額だけに目を奪われず、店舗に電話して詳しい条件を聞くべきです。
またキャリアオプションも、不要であればすぐに外しましょう。ドコモの『スピードモード』、ソフトバンクの『快適モード』のように、月間データ容量の上限に達すると自動的に追加容量を購入するオプションに加入していると、気づかないうちにパケット料金が膨れ上がる可能性がありますから気をつけましょう」(前出・後藤氏)
ところで、6/6 Plusが出て時間がたつと、CBの額はさらに上積みされたりしないだろうか?
「それはどうかと思いますね。今回、6/6 Plusは本体サイズが一気に大型化しました。特に幅が広くなったので、手の小さな女性などは使いにくさを感じ、『やっぱり5sのほうがいいや。安いし』となる可能性が大いにある。CBの増額を期待してのんびり待っていると、あっという間に品切れになるかもしれません」(前出・A氏)
「いまだに4sや5を使い続けている人は少なくありません。特に5は、発売されてからちょうど2年。“2年縛り”が明けると月々の割引もなくなることから、5ユーザーにとってMNP一括0円で買える5sは端末代もかからず好都合なのです。
そのためauやソフトバンクの5sは早めに在庫切れになる可能性はあるでしょう。9月半ばの3連休では動きを見せなかったドコモは、6/6 Plus発売後にちょっとお買い得感のある条件を出してくるかもしれませんね。もしそのタイミングで他社の5sが品切れになっていたら、ドコモは『MNP一括0円』まで下げなくても、市場で受け入れられる可能性がありますから」(前出・後藤氏)
いつが一番トクだったかは、後になってみないとわからないもの。しかし5sの在庫がなく、買えなくなってからでは後の祭り。いま現在の「MNP一括0円」で納得できる人は、すぐ行動に移すべきかも。
*販売店の情報やCB金額は、取材班が9月18日時点で確認したものです。この情報は変更されることがあります
(取材・文・撮影/本誌「iPhone5s/5cタタキ売り」取材班)