弁護士に聞いた! NHKの受信料の支払いって法的にどうなっているの!?

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あなたはNHKの受信料をきちんと支払っていますか? 「テレビを持ってると必ず支払わなければならない」なんていわれますが、法的にはどのようになっているのでしょう。アディーレ法律事務所の鈴木淳也弁護士にお話を伺いました。

――NHKの受信料の支払いというのは、法的にはどのように規定されているのでしょうか?

鈴木弁護士 放送法の第64条1項本文に、

協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。

と書かれています。これが受信料を徴収する根拠となっています。

――受信設備というのは、テレビと考えていいのでしょうか。

鈴木弁護士 一般的にはそうですね。テレビの受像機、アンテナ線、電波など、NHKの放送を受信し、視聴できる設備です。

――受信設備を設置する、イコールお金を支払わないといけない、ということなのでしょうか?

鈴木弁護士 いえ、受信設備を設置すると契約をしなければならない、です。ですから、受信設備を設置する、イコールお金を支払うではありません。

――NHKの受信料の集金の人が家に来ることがありますが、この場合、受信料を支払わなければならないのでしょうか。

鈴木弁護士 契約していない場合は支払う義務はありません。あくまでも契約がある場合には支払わけなればならないということですので。ただし、「受信設備がある場合には契約しなければならない」わけですから、

受信設備がある ⇒ 契約する ⇒ 受信料の支払い

という流れになりますね。

――受信設備はあるけど「契約しない」という場合は、あり得ますか?

鈴木弁護士 そこが悩ましいところで、それを巡って裁判が起こされたりしています。2013年12月18日には、「受信契約の成立には、受信者の承諾が必要であり、裁判外でのNHKからの通知だけでは契約は成立しない」としつつも、この裁判の中で「受信者に契約の承諾を命ずる」という判決が東京高裁から出ました。

――「NHKの放送を見ない自由」というのはないのでしょうか。

鈴木弁護士 放送法上は、NHKの放送を見ても見なくても、受信機を設置したら契約しなければならないとなっていますので、そのような観点で法律は作られていませんね。

――より強制的に受信料を支払わなければならない方向に、法律が改正される可能性はあるでしょうか? 例えば「テレビを設置したら契約が成立したとみなす」といったような。

鈴木弁護士 いえ、それはおそらくないと思います。そのような法律改正を行うとすると、やはり国会でも相当議論されるでしょうし、また国民の皆さんから反対の声も挙がると思いますので。

――ありがとうございました。

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(高橋モータース@dcp)