KLA、16nmプロセス以降向け欠陥検査/レビュー装置を発表
KLA-Tencorは7月7日(米国時間)、16nmプロセス以降のICデバイスの開発および量産を行うための高度な欠陥検査およびレビュー機能を提供する4つの検査装置として、広帯域プラズマパターン付きウェハ欠陥検査装置「2920シリーズ」、レーザスキャンパターン付きウェハ欠陥検査装置「Puma 9850」、パターンなしウェハ欠陥検査装置「Surfscan SP5」、電子ビームレビュー装置「eDR-7110」を発表した。
2920シリーズ、Puma 9850、およびSurfscan SP5の各装置は、従来品に比べ、高感度の達成とスループットの向上の両立が図られているほか、改良された自動欠陥分類機能を利用して、検出された欠陥を速やかに特定し、対策を決定するための正確な情報を提供するeDR-7110とシームレスに接続することも可能となっている。
2920シリーズは、第3世代広帯域プラズマ照明光源を採用しており、これにより前世代製品比で光量を2倍に増加。新しい遠紫外光(DUV)波長帯域と小型光学検査ピクセルの採用、そして高度なアルゴリズムの組み合わせが、FinFETなどの複雑なICデバイスアーキテクチャ上にあるわずかな突起、微細なブリッジ、その他のパターン欠陥に対する感度向上を実現。さらに、新搭載のAccu-rayおよびFlex Apertureテクノロジにより、重大な欠陥タイプを捕捉するための最適な光学設定を速やかに決定でき、プロセスおよびデザインの問題を検出して解決するのに必要な時間を短縮することができるようになっているという。
Puma 9850では、広範囲の量産スループットにわたって感度が向上しており、多種多様なFinFETと高度なメモリ検査アプリケーションをサポートし、これにより2920シリーズの検査装置を補完することを可能とした。また、Surfscan SP5では、量産スループットで20nm以降のデザインルールの欠陥感度を達成する、強化されたDUV光学テクノロジを搭載。これにより、多層積層膜ICデバイスのインテグレーションを阻害する可能性のあるSi基板やブランケット膜の微小な欠陥の検出が可能となったとする。
このほか、eDR-7110は、新たなSEM自動欠陥分類(S-ADC)エンジンを搭載することで、量産時に欠陥集合を正確に分類できるほか、開発時に欠陥の検出に要する時間の短縮を可能とした。さらに、自動観察中にS-ADC結果から、組成解析(EDX)やほかの観察条件を使った欠陥画像取得などの追加のインラインテストを自動的にトリガでき、欠陥情報の質を向上させることを可能としている。