4番小熊隼人（山村学園）

山村学園が5回に突き放して快勝

　近年、実力を付けつつある山村学園と伝統校・県立川越の一戦。先制したのは山村学園。

　4回表、一死一、二塁から6番田中が左中間を破る二塁打で、1点を先制。なおも一死二、三塁から7番山本の犠飛で1点を追加し、2対0。その裏、県立川越は二死一塁から5番石田が左中間を破る三塁打を放ち、1点を返し、2対1とするが、5回表に山村学園が突き放す。

　一死満塁から4番小熊の右前適時打を放ち4対1。一死一、三塁となったところで、一塁走者の小熊が盗塁を仕掛け、二塁に送球したのを見て、三塁走者が本塁に生還。これで5対1。二死二塁となって、6番田中の左中間を破る二塁打で、6対1と突き放した。さらに9回表、一死一、三塁から2番森広の内野ゴロで点を追加。7対1とした。

　投げてはエース山村が好投。右スリークォーターから最速131キロの直球、スライダー、チェンジアップを内外角に散らせていきながら、9回1失点完投勝利を挙げた。

　山村学園の注目打者は4番に座る小熊 隼人（2年）。4番打者だが、バットコントロールがウリの好打者。オープンスタンスでどっしりと構える姿には雰囲気があり、力みがない構えをすることができている。この試合は4打数1安打2打点。4打席のうち、3打席がセカンド方向で、引っかけ気味の打球が多かったのが気になった。広角に打ち返せる打撃が出来るようになると注目を集めるだろう。小熊以外は右打者で、6番田中はパワフルな右打者で、捉えた時は鋭い打球を飛ばしていた。打線に力強さがある好チームだった

　　敗れはしたが、県立川越はしぶとく守っていくチームだった。捕手の矢嶋はスローイングタイム2.00秒前後を計測する強肩が光り、中堅手の金子はセンターへ抜けそうな打球を捕球する広い守備範囲が持ち味。投手陣が粘り強く守っていけば、勝ち上がるチームになるのではないだろうか。

(文＝河嶋 宗一)