堀越が打撃戦を制し、3回戦進出! 

本塁打を放った入山(堀越)

 「打線の力は近年では一番いいですね」堀越の山口監督が評するように今年の堀越は打てるチームだ。だが「課題は守備ですね。練習試合から常にいっていたるのですが、10点取らないと勝てないぞ」不安である守備面の課題も出た試合であった。堀越は5番入山 功大の3ランで先制した。しかし2回表、都立武蔵丘が反撃を見せる。一死満塁から9番澁谷 隼己(3年)の適時打、1番中根 智裕(2年)の2点適時打、2番安藤 翔(2年)の適時打、敵失などで一挙5点を入れて逆転に成功する。

 だがそこから反撃できるのが今年の堀越の強みだ。4回裏、5番入山の押し出し四球、6番藤井 誠(3年)の2点適時打で逆転に成功。5回裏、1番黒木 謙誠(2年)が2ラン本塁打を放ち、8対5。6回裏にも6番藤井の犠飛で9対5。

 7回表、都立武蔵丘は二死二、三塁から7番竹内 大成(3年)の適時打、さらにクロスプレーで走塁妨害が宣告され、2点を返され、9対7。堀越の失策があるとはいえ、ここまで7点を取り返す都立武蔵丘の攻撃力も見事。 

 その裏、二死一、三塁から5番入山の左前適時打、6番藤井が右中間を破る三塁打、7番佐藤 諄弥(3年)の適時打で一気に13対7とする。

 

先発・井口祐汰(武蔵丘)

 8回表、マウンドに登ったのは渕上 佳輝(2年)。山口監督も「エース候補」と期待している右腕だ。175センチ65キロと上背はそれほどある投手ではないのだが、それが気にならないぐらいの素材である。まずフォームが良い。ワインドアップから始動し、ゆったりと左足を上げていきながら、お尻から先行する体重移動から真上から振り下ろす投球フォーム。ストレートは常時130キロ〜135キロ(最速136キロ)を計測。スライダー、カーブをテンポ良く投げ分ける投球を見せていた。8回は無失点に抑えたが、9回は失策もあり2失点。13対9で堀越が勝利したが、すっきりと勝ちたかったところだろう。

 ただ春の時点で、課題が明確になったことは収穫といえる。打線も力強く、投手も渕上という好投手がおり、夏は期待が持てるチーム。次は好投手・鈴木 優擁する都立雪谷と対戦する。「一線級の投手をどれだけ打てるかですね」鈴木から打てる打力があれば、より自信が付くことは間違いない。今日出た課題を修正し、都立雪谷戦では攻守ともに最高の内容を残すことを期待したい。

(文=河嶋 宗一)