郁文館vs都立永山 2年生左腕・大島が8回無失点の好投!都立永山を下し3回戦進出!
好投を見せた大島良介(郁文館)
まさに自信に満ち溢れた投球だった。郁文館の先発は大島 良介(2年)。ブロック予選で好投を見せ、初戦の先発を任された。「調子は予選から上がっていました」と振り返るように、常時125キロ前後の直球でも、球速表示以上にキレを感じさせ、力の入れどころを分かっているのか、要所になるほどより切れのあるストレートを投げ込んでいる。また投球フォームは右肩の開きがギリギリまで開かず、テークバックを大きく取ったフォームから打者寄りで球を離す。球持ちが良く、キレのあるストレートを投げられるフォームだ。
カーブ、チェンジアップのコンビネーションで投球を組み立てをしていた。特に光ったのが右打者への外角へ落ちるチェンジアップ。「今日は打てる打線なので、この球を決め球にしようと決めていました」打者の手元でしっかりと落ちて、都立永山打線は捉えることができず、大島の狙い通りの配球が出来ていたといえるだろう。コントロール、速球のキレ、変化球のキレ、組み立て、テンポの良さと投手として大切なモノが備わっている。そして何より自信を持って投げられているのが良い。
試合は0対0のまま迎えた6回表。一死二、三塁からチャンスを作り、8番の大島が打席に立つ。「自分が決めるしかないと思って」甘く入った直球を逃さず、中前安打を放ち、2点を先制する。大島は8回まで被安打2奪三振8無失点の好投。最後まで球威が衰えず、コントロールの精度も乱れず、素晴らしい投球だった。
「予選の投球で完全に自信を付けましたね」郁文館の佐々木監督も大島の投球を評価した。
永山の2番手・中田
都立永山は7回から登板した中田 勇太(2年 右/右 180センチ78キロ)が楽しみな素材だった。体格の良さに加え、肘がしっかりと上がり、腕を振り下ろす右の本格派で、常時125キロ〜129キロを計測。コンスタントに120キロ後半を計測しており、新2年生右腕としては期待の持てる投手であった。その中田は2回無失点と好投を見せる。
スコアは郁文館2点リードのまま9回へ。そして9回表からは背番号1の右下手の佐藤が登板。押し出し四球で1点を取られるが、佐藤を送った佐々木監督、後輩の大島は佐藤を信じていた。「登板間隔が空いて緊張したと思いますが、この子は気が強い子なので、心配していません」(佐々木監督)「先輩なら必ず抑えてくれると思っています!」(大島)佐藤は後続の打者を抑えて、試合終了。初戦突破を決めた。
次の試合は日体荏原が出場辞退で、不戦勝となり、3回戦。次がシードをかけて争う戦いとなる。
郁文館の佐々木監督は大島が成長したことで、佐藤との継投策で投げる目途がついたことを収穫と語った。勝ち進むごとに自分達の戦い方を身に付けるのはトーナメントで勝ち進む上では鉄則。シード権まであと1勝。さらに成長した姿を見せられるのか注目していきたい。
(文=河嶋 宗一)